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表白
「表白〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
表白の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
《しゃく》にさわりながら、妙にその相手が憎めなかった。その代りに彼自身の軽蔑を、
表白してやりたいという欲望がある。それが実行に移されなかったのは、おそらく年齢が....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ボオドレエルは白痴になった後《のち》、彼の人生観をたった一語に、――女陰の一語に
表白した。しかし彼自身を語るものは必ずしもこう言ったことではない。むしろ彼の天才....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
んの話したままを書けば、半之丞は(作者註。田園的《でんえんてき》嫉妬《しっと》の
表白としてさもあらんとは思わるれども、この間《あいだ》に割愛せざるべからざる数行....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
とである。彼とてもけっして血も涙もない人間ではなかった。ともすれば、官位がそれを
表白することを妨げがちであったとはいえ、彼の胸奥にも多くの善心が潜んでいたのであ....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
ているとおりのことを聴きたい。それが文学です。それゆえにただわれわれの心のままを
表白してごらんなさい。ソウしてゆけばいくら文法は間違っておっても、世の中の人が読....
「弓町より」より 著者:石川啄木
詩は、明治四十年代以後の言葉で書かれねばならぬということは、詩語としての適不適、
表白の便不便の問題ではなくて、新らしい詩の精神、すなわち時代の精神の必要であった....
「新生」より 著者:島崎藤村
って置きさえすればもう知れずに済む事だ。自分はこの通り愚かしいという事をわざわざ
表白して、その結果はどうなる。この考えは幾度となく岸本を抑制《おしとど》めないで....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
はまた、いよいよ決心して歌よりも小説のスケールによって家霊を表現することを逸作に
表白した。 逸作はしばらく考えていたが、 「誰だか言ったよ。日本橋の真ん中で、....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
勃興階級はそれ自身の芸術を持たなければならない。其の思想と感情との已むに已まれぬ
表白としての、其の若い溌溂とした生命力の発現としての、そして又、老い傾いた旧い社....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
んでおった。 ファラデーは結婚してから一ヶ月ばかりして、罪の懺悔をなし、信仰の
表白をして、サンデマン教会にはいった。しかしこの際に、細君のサラには全く相談しな....
「妖怪談」より 著者:井上円了
iもまた同じく感じ、mもuもrもaもともに感受いたしますので、その木村なることを
表白するものでございます。かようのわけでございますから、決して恐ろしいことでも不....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
失って居ないのは、彼の特異な体質と感性とに基づいての観察を飾りなしに極めて自然に
表白して居るためであろう。彼の随筆には古いもの伝統的なものに憧れる都会人と機械美....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
る。こうした絵画的な美しさがどうして生れたかは第二として、これがひたむきな感動の
表白などでなく、鋭い感力でしずかに細かく対象を感受しているものだということは分ろ....
「詩の精神は移動す」より 著者:小川未明
歓喜をよびおこす。 詩はついに、社会革命の興る以前に先駆となって、民衆の霊魂を
表白している。例えばこれが労働者の唄う歌にしろ、或は革命の歌にしろ、文字となって....
「文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
に達した人は、往々一つの危険に出合うのである。それは自分の思想感情を、多少自由に
表白することが出来るようになったところから、思想感情のありのまゝを伝える素直な純....