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表皮
「表皮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
表皮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生きている腸」より 著者:海野十三
腸《はらわた》は、大気中に生活しているためにその表面はだんだん乾いてきた。そして
表皮のようなものが、何回となく脱落した。この揚句の果には、生ける腸《はらわた》の....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
か病質にさえ見えた悒鬱な少年時代の君の面影はどこにあるのだろう。また落葉松の幹の
表皮からあすこここにのぞき出している針葉の一本をも見のがさずに、愛撫し理解しよう....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
?」喬介が訊いた。 「ええ、ありません。もっとも、顔面、掌その他に、極めて軽微な
表皮剥脱|乃至皮下出血がありますが、死因とは無関係です」 喬介は警察医と向い合....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
この女は大川氏の猟奇癖に知ってか或いは知らずにかいつの間にか乗って仕舞って、その
表皮がいつか奇矯に偽造され、文壇の見せ物になって居るに過ぎない。赫子は好い旦那さ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
た生物の、あらゆる感覚の蓋を開いて、新奇な空気を吸収する、その眠たいまでに精神が
表皮化して仕舞う忘我の心持ちに自分を托した。一つにはこの庭と茶室の一劃は、蔵住い....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た。それがちょうど文身の型取りみたいに、細い尖鋭な針先でスウッと引いたような――
表皮だけを巧妙にそいだ擦切創とでもいう浅い傷であって、両側ともほぼ直径一寸ほどの....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
それは人血にまぎれもないことが分るとともに、その中からグリコーゲンを多分に含んだ
表皮細胞が発見されるなんてくだりを……」 「ミチミ。僕は君に命令するよ。その話は....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
解く、その風呂敷の中を見よ。土佐の名手が画いたような、紅い調は立田川、月の裏皮、
表皮。玉の砧を、打つや、うつつに、天人も聞けかしとて、雲井、と銘ある秘蔵の塗胴。....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
た雪とに対照して、家の正面は可なり黒く、窓は一層黒く見えた。地上の雪の降り積った
表皮は、荷馬車や荷車の重たい車輪に鋤き返されて、深い皺を作っていた。その皺は、幾....
「新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
りした芸術作品を持ったり他の事業でも真摯な地歩をかためて居る女性以外には装飾的な
表皮の感情は多くひらめかして居ても本質的な真面目な熱情や感情が浅薄です。或種の文....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
倚りかかっていて、頤を胸につけ、両手は前へ投げて甲板に投げ出し、顔は、日に焦けた
表皮の下が、脂蝋燭のように蒼白かった。 しばらくの間は船は悍馬のように跳びはね....
「運命のままに」より 著者:豊島与志雄
者はない。どうかすると頬の筋肉がびくびく震えることもあるが、それも一瞬間のうちに
表皮の下に隠されてしまって見えなくなる。凡てのものが心の奥へ潜入してゆくのだ。然....
「女と帽子」より 著者:豊島与志雄
むくんでいて、血の気がなくて総毛だっています。目玉も底が濁っています。顔全体が、
表皮の一重下に、蝋でもぬりこんだようですよ。然し、それで思い通りじゃありませんか....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
た。 「杉でないと仰有いますと?」 「杉材としては持ち重りがする。鐡で作った箱の
表皮へ、杉の板を張り付けたもので、しかも日本の細工ではない。支那製か南蛮製だ」 ....
「香熊」より 著者:佐藤垢石
が、その料理法について木下謙次郎は、まず熊掌を温水でよく洗い、次に熱湯で湯がいて
表皮を剥ぎ、これを流水にさらすこと三昼夜。かくして磁器のうちに入れ、酒を醋に和し....