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袂時計
「袂時計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
袂時計の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あいびき」より 著者:ツルゲーネフイワン
いッてお前さん――アノ始末だものオ……」
少女は口をつぐんだ。「ヴィクトル」は
袂時計《たもとどけい》の鎖をいらいだした。
「オイ、『アクーリナ』、おまえだッて....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
られてじっとしていた。 私は服薬の時間を計るため、客の前も憚《はば》からず常に
袂時計《たもとどけい》を座蒲団《ざぶとん》の傍《わき》に置く癖《くせ》をもってい....
「草枕」より 著者:夏目漱石
団の穴に、再び帰参《きさん》して考え出した。括《くく》り枕《まくら》のしたから、
袂時計《たもとどけい》を出して見ると、一時十分過ぎである。再び枕の下へ押し込んで....
「道草」より 著者:夏目漱石
って見て、その早いのに驚ろいた。指頭《しとう》に触れるピンピンいう音が、秒を刻む
袂時計《たもとどけい》の音と錯綜《さくそう》して、彼の耳に異様な節奏を伝えた。そ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
お》すと奇特にも今夜は五六行読んだものらしい。赤い本と並んで例のごとくニッケルの
袂時計《たもとどけい》が春に似合わぬ寒き色を放っている。
細君は乳呑児《ちのみ....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
、七、八、九条また十条。 これまさしく敵の艦隊なり。 艦橋の上に立つ一将校|
袂時計を出し見て「一時間半は大丈夫だ。準備ができたら、まず腹でもこしらえて置くで....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
門を出るのがなん刻、壱岐殿坂をくだりきるのがなん刻と、お送り役と氷見役立ちあいで
袂時計《たもとどけい》を持ってお駕籠の早さを割りつけ、大袈裟にいや、氷室から西の....