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「被る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

被るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
給事をしようと云うんじゃなし、第一欲しいと仰有ったって、差上げるやら、平に御免を被るやら、その辺も分らないのに、人の大切な令嬢を、裸体にして検査するような事を聞....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
った。その後にまた自然探究の嫌いなアテンの哲学学派のために自然研究は多大の損害を被ることとなった。その上に彼らの教理はキリスト教寺院の管理者の手に渡って、そうし....
紅玉」より 著者:泉鏡花
とは、烏のせいだと言わねばなるまい。 三の烏 すると、人間のした事を、俺たちが引被るのだな。 二の烏 かぶろうとも、背負おうとも。かぶった処で、背負った処で、人....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
を拭いた一樹が、羽織を脱いで引くるめた。……羽織は、まだしも、世の中一般に、頭に被るものと極った麦藁の、安値なのではあるが夏帽子を、居かわり立直る客が蹴散らし、....
海の使者」より 著者:泉鏡花
身体がどんよりと光を放った。 白い炎が、影もなく橋にぴたりと寄せた時、水が穂に被るばかりに見えた。 ぴたぴたと板が鳴って、足がぐらぐらとしたので私は飛び退い....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
清水が湧くようではない。ちと更まっては出たれども、また一つ山を越すのじゃ、御免を被る。一度羽織を脱いで参ろう。ああ、いやお婆さん、それには及ばぬ。」 紋着の羽....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
に巻く宝ものの美い衣服だよ。これは……」 「うむ、天の恵は洪大じゃ。茸にもさて、被るものをお授けなさるじゃな。」 「違うよ。――お姫様の、めしものを持て――侍女....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
が、お妻さん、動悸が激しくって、動くと嘔きそうだ。下へもおりられないんだよ。恩に被るから、何とか一杯。」 「おっしゃるな。すぐに算段をしますから。まったく、いや....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
外套の襟へ三角|形の羅紗帽子を、こんな時に、いや、こんな時に限らない。すっぽりと被るのが、寒さを凌ぐより、半分は見得で、帽子の有無では約二割方、仕立上りの値が違....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ら我家に帰った。永い間女房を擲って居た。そうしてたった一週間前に買って遣った頭に被る新しい巾を引き裂いた。 それからこの犬は人間というものを信用しなくなって、....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
洋服で雪のような胸、手首、勿論靴で、どういう好みか目庇のつッと出た、鉄道の局員が被るような形なのを、前さがりに頂いた。これにてらてらと小春の日の光を遮って、やや....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
がれた。 苦痛の顔の、醜さを隠そうと、裏も表も同じ雪の、厚く、重い、外套の袖を被ると、また青い火の影に、紫陽花の花に包まれますようで、且つ白羽二重の裏に薄萌黄....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
坊主が被って見せましょう。」 と、魔がさしたように、いや、仏が導くように、笠を被ると、笠の下で、笠を被った、笠の男が、笠を被って、ひとりでに、ぶらぶらと歩行き....
式部小路」より 著者:泉鏡花
を巻き込むようになると、うっとりなすった時、緑、白妙、紺青の、珠を飾った、女雛が被る冠を守護として、緋の袴で練衣の官女が五人、黒雲の中を往来して、手招をするのが....
註文帳」より 著者:泉鏡花
しかも真夜中だろうじゃあねえか、トントントンさ、誰方だと聞きゃあ黙然で、蒲団を引被るとトントンだ、誰方だね、黙りか、またトンか、びッくりか、トンと来るか。とうと....