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被害
「被害〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
被害の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
ね。しかしわたしに言わせれば、悪人よりもむしろ雌の河童につかまることを恐れている
被害妄想《ひがいもうぞう》の多い狂人です。……そこでこの雌の河童は亭主のココアの....
「路上」より 著者:芥川竜之介
やはり気違いだろう。」
「そう云う差別なら、誇大妄想狂《こだいもうぞうきょう》と
被害《ひがい》妄想狂との間にもある。」
「それとこれと一しょにするのは乱暴だよ。....
「一つの世界」より 著者:伊丹万作
外にはないとぼくは以前から信じていたがまちがっていなかった。しかるにいまだ空襲の
被害を過少評価しようとする傾向があるのは嘆かわしいことだ。この認識が是正せられな....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
、とにかく兇行に関係のある重大なる謎として係官の注意を集めている。 後報。――
被害者の身許が判明した。彼は五十嵐庄吉(三九)であった。十日前に××刑務所を出獄....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。 味方の戦闘機の攻撃もはげしくなり、地上部隊の高射撃もだいぶんうまくなった。
被害は今までのところ軽微である。 これからさらに空襲は激化して行くであろう。そ....
「海底都市」より 著者:海野十三
件であると釈明《しゃくめい》し、そして今後は大いに気をつけること、またこれまでの
被害については、ある程度の見舞品を贈ることを答えた。 魚人たちの側では、それだ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
その朝刊に、もう一つ銀座の怪事件が、並んで出ていた。
「宵の銀座に、奇怪な殺人。
被害者は、若きタイピスト」
各紙ともこの二つの事件は、別々の事件として新聞に並....
「転機」より 著者:伊藤野枝
が足尾の銅山地方にあるので、銅山の鉱毒が渡良瀬川に流れ込んで、沿岸の土地に非常な
被害を及ぼした事がある。それが問題となって、長い間物議の種になっていたが、政府の....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ら近眼らしい四十前後の外国人が一人肩を聳かせて通りかかった。彼はここに住んでいる
被害妄想狂の瑞典人だった。しかも彼の名はストリントベルグだった。僕は彼とすれ違う....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
れから黒猫を恨まなくなった。のみならず親兎がすこぶる善くないと思った。初め二つの
被害者を出す前に、まだ多くの者が死んだに違いない。彼等は一回に決して二つやそこら....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
まされたものの責任が解消するであろうか。 だまされたということは、不正者による
被害を意味するが、しかしだまされたものは正しいとは、古来いかなる辞書にも決して書....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
なるのだ。 十月二十五日―― 釣師殺しは世に知れわたった。一緒に釣に出かけた
被害者の甥が下手人とされた。 十月二十六日―― 予審判事は甥を有罪であると断....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
どうして村へ入れたのだったろうか? しかしながら数ヵ月過ぎても、村にはなんらの
被害もなかったし、それからまた心配していたような風体の悪い人間が、Aをたずねて来....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
のガストン・ルルウの『黄色い部屋の秘密』である。 (二)、殺人にはちがいないが、
被害者は自殺をとげたり或は過失死をとげるように仕向けられる。――幽霊が出るという....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
で主人なり恩師なりの眼を窃んでその名誉に泥を塗るいおうようない忘恩の非行者を当の
被害者として啻に寛容するばかりでなく、若気の一端の過失のために終生を埋もらせたく....