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被害妄想
「被害妄想〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
被害妄想の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
ね。しかしわたしに言わせれば、悪人よりもむしろ雌の河童につかまることを恐れている
被害妄想《ひがいもうぞう》の多い狂人です。……そこでこの雌の河童は亭主のココアの....
「みみずく通信」より 著者:太宰治
それを言うべきである。言わなければわからぬという興覚めの事実。卑屈は、恥に非ず。
被害妄想と一般に言われている心の状態は、必ずしも精神病でない。自己制御、謙譲も美....
「さようなら」より 著者:田中英光
全な乞食みたいにみえ、更に狐憑《きつねつき》じみたその顔の表情は誰がみても狂人、
被害妄想的抑鬱症患者としか思えなかった。岡田は片端から兵器を棄てることで全身で戦....
「善蔵を思う」より 著者:太宰治
を、そのまま気軽に信じて、利口そうに、苦笑しているくらいのところであろう。私は、
被害妄想狂では無いのである。決して、ことさらに、僻んで考えているのでは無いのであ....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
けないワケを、こんなところに押しつけているのだった。しかし、元来、彼は生れつきの
被害妄想仮装症であったから、どこまで本気でこれを書けないワケに換算しているのか分....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
の姦淫を欲していたわけである。マルクス主義はブルジョアによって搾取されそうに思う
被害妄想であり、プロレタリアによる人類の救済は一つの宗教妄想に他ならない。弁証法....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
時に続々として随筆集を出版して敵味方を驚かした。氏の作品を見ると、私は氏が一種の
被害妄想狂であることを信じる。氏の有名な借金上手も、この点から充分に説明出来る。....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
を苦しめるべく陰謀をめぐらしたと考えるなら、それは政友会としては、一応同情すべき
被害妄想だろうからである。 そうこうしている内に、官僚の花形の一人であった藤井....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ら近眼らしい四十前後の外国人が一人肩を聳かせて通りかかった。彼はここに住んでいる
被害妄想狂の瑞典人だった。しかも彼の名はストリントベルグだった。僕は彼とすれ違う....
「理想の女」より 著者:坂口安吾
き合ふことができなくて、戯作性といふものによつて文学の純粋性が汚されるかのやうな
被害妄想をいだいたわけだが、本当のところは、戯作性との合作に堪へうるだけの逞しい....
「小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
的徴候が、すでにハッキリ現れていたのである。つまり、厭人癖である。そして、一種の
被害妄想である。ちょッとした思考力の集中持続にすら苦心サンタンしつゝある自分に対....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
てはもっと大人で、そうバカではなかったらしいが、間にH編輯長という低脳で神経質で
被害妄想のようなのがはさまっていて、それを通じての話をきいているから、まるで敵地....
「人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
な武道家はテリヤのように神経質な人物が多いものだし、農村の屈強な人物に誇大妄想や
被害妄想が多いのは先程も申上げた通りである。だいたい百姓の酔い方は都会人とは違っ....
「冒した者」より 著者:三好十郎
す! 舟木 ああ、(私に)これはクリスチャンです。クリスチャンには、大概、一種の
被害妄想――ではない、自分も他人も年中悪を犯しているような、罪を犯してるような気....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
そういう心配が浮気されたのではないかという疑念に変り、そして遂にその疑念が嵩じて
被害妄想になり、常に彼女が誰かを誘惑している様に思いこんでしまったのではないかと....