被治者[語句情報] » 被治者

「被治者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

被治者の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
徳は自分に親しく接触する左右のものには能《よ》く及ぶかも知れませんが、遠く離れた被治者に利益を与えようとするには不充分です。其所《そこ》へ行くとやっぱり手腕です....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
はそのあとに続いた。それらは皆同じ法則の上に組立てられている。そこには必ず治者と被治者とがあらねばならぬ。そして治者に特権であるところのものは被治者には義務だ。....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
かりではなく、今日のように各思想が国際的に共有化して来ると共に、文化が治者階級と被治者階級とに分裂すると、哲学の階級による相違が相当ハッキリするようになって来る....
征服の事実」より 著者:大杉栄
ない間は、多少の自由が、被征服者に与えられる。換言すれば、この法律に服することが被治者の義務であり、この法律の違犯にならない行為がその権利であると認められるよう....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
もない。だから社会はA組とB組との総和であり(対立ではなくて和だ)、大衆は治者と被治者との公平な総和だ。治者と被治者とを加えたのが大衆だから、大衆は両方の協調で....
婦人と思想」より 著者:与謝野晶子
次いで父母子弟乃至社会。」「社会があれば当然社会の協同生活を円滑にするために治者被治者の組織が生ずる。また社会の基点たる個人の天分と教育とに由って智識、感情、意....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うもので、そういう方面ばかりを考えて、地主が悪い、代官が憎いという、治者に対する被治者の反抗心だけを教えるような論理はいけないと思います。そうして得るところのも....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
てやまざる意志の強烈にはあえて甲乙なしというべきでしょう。 果して、治者なく、被治者なき社会の存立があり得るや。命令と、法律と、その後に強力がなくして多数を統....
日本男子論」より 著者:福沢諭吉
守る所の徳義なかるべからず。即ち朋友に信といい、長幼に序といい、君臣または治者・被治者の間に義というが如く、大切なる箇条あり。これを人生|戸外《こがい》の道徳と....
読倫理教科書」より 著者:福沢諭吉
て、これを私徳の美という。内に私徳の修まるあれば、外に発して朋友の信となり、治者被治者の義となり、社会の交際法となるべし。 けだし社会は個々の家よりなるものに....