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被疑者
「被疑者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
被疑者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
、別に確かな物的証拠ってやつはなかったんですが、悪いことには事件の起る数日前に、
被疑者の三浦と云うのがタバコ屋と口論して、なんでも「お前の家なぞ焼払っちまう!」....
「彼は誰を殺したか」より 著者:浜尾四郎
出来るでしょうか。つまりそこですよ。丁度あなたの事件のように、第三者が全くない。
被疑者のいうことをくつがえす証拠がない。従っていくら検事でもどうすることも出来ま....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
かなり烈しく当つて見たのだがやはり、これという所が判らず、右に述べた通り、一人の
被疑者も拘引されずに二十日となつたのである。
ただこの時分は新聞で例の過失死事....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
六十日乃至百二十日の拘留を申し渡たされるというのである。罪証湮滅や逃亡の恐れある
被疑者も亦無論そうである。之によると住処を調べたりペンネームを調べたりするには少....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
」のような諸篇にも人間の機微な心理の描写が出ている。「白浪のうつ脈取坊」には犯罪
被疑者がその性情によって色々とその感情表示に差違のあることを述べ「拷問」の不合理....
「足の裏」より 著者:蘭郁二郎
現場に一口の短刀が遺棄されている、見るとそれにはアリアリと、指紋が残っているので
被疑者は一人残らず指紋をとられる、勿論石崎源三の家に屡々行った景岡の指紋も採られ....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
たのでございました。――こうした理由で、私の長唄のお師匠が、この殺人事件の第一の
被疑者になられたのでございますが、客観的に考えて見ますれば、それは、あまりにも、....
「殺人迷路」より 著者:浜尾四郎
うのは即ち君自身のことなのだよ。 ところで検事局という所は、毎日否認ばかりする
被疑者に必ず一人や二人はぶつかる場所で、而《しか》して――うん、ここをよくきき給....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
ない限り当面の容疑者たらざるを得ない。又池内君は、完全なるアリバイがない限り、又
被疑者たるを※れないだろう」 「アリバイ?」 池内は愕然とした。 「そうだ、ア....
「謎の咬傷」より 著者:小酒井不木
うちへ行きました」 「そんなことはありません」 「どうしてもお話しにならねば犯人
被疑者として残って貰います」 「まあ」と彼女は顔の色をかえたが、やがて決心したと....
「彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
|蹂躙《じゅうりん》だの、拷問をやったろうのと騒ぎたがるものです。然し之は、大体
被疑者を直ぐ真犯人と考えるから悪いのです。否、われわれから云わせれば、既に検事が....
「正義」より 著者:浜尾四郎
手な事を自白してしまったので、こんなケースはめずらしくはない。警察でどの程度まで
被疑者をいじめるか僕は知らないが、よくうその事実を自白する人間のある事は君だって....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
ところへ、受付係の巡査が、急いで寄って来た。 「署長殿。首無し死体事件の、犯人も
被疑者も、両方とも知っていると云う男が参りました。お会いになりますか?」 受付....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
とをいわんとしたら、どうなったことだろうか。 ――それを、じっとこらえて、ただ
被疑者の弁解ですまして来たのは、伯父憲房の忠言にもよるが、高氏の胸に、かの啾々た....
「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」より 著者:戸坂潤
々幹事のこの現象に対する認識は普通の官衙・学校・会社・工場等の職場に於てその種の
被疑者を出す場合に、かかる種類の職場の管理者が有つところのものと聊かも異なるとこ....