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被覆
「被覆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
被覆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
ところで、赤石白峰山脈は、日本北アルプスや、またはその山麓のように、火山灰などで
被覆されたりしていないから、地層も比較的分明で、地質年代の考定に必要な、化石の発....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
趣向なんですよ。そうしてついに伸び切った時、アルミニウム粉の線の末端が、動力線の
被覆を傷つけた個所に触れるのですから、否が応でも瞬間電流が塔上の大鐘にまで伝わら....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
観念論=観念唯一主義や精神万能主義=などは極めて少なかった。露骨な観念万能主義を
被覆する点に於て複雑化したことは、特に今日の観念論の特色をなす。今日の観念論は極....
「怪異考」より 著者:寺田寅彦
はりジャーンとも形容されうる種類の雑音であるし、またその地盤の性質、地表の形状や
被覆物の種類によってはいっそうジャーンと聞こえやすくなるであろうと思われうるたち....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
ける路ではないと不審を起して、氷河を踏査せられたところ、Aletsch 大氷河が
被覆している底に、立派に保存せられた旧道路を発見せられた旨を記述せられている(G....
「小爆発二件」より 著者:寺田寅彦
先でさわってもすぐこぼれ落ちるほど柔らかい海綿状の集塊となって心核の表面に付着し
被覆しているのである。ただの灰の塊が降るとばかり思っていた自分にはこの事実が珍し....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ある。しかしその殻皮を通らずに飛躍することは何人にもあたわぬ。青春時代には青春の
被覆をまとうていねばならぬ。生命と認識と恋と善とに驚き、求め悩むのは青春の特質で....
「科学論」より 著者:戸坂潤
は経済関係という肉体によって規定されて、初めて一定の形態を取ることが出来る処の、
被覆に相当するものである。それは社会の下部構造によって制約されるという意味で、上....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
スの Moralistes 達の問題の一つであったと思われる。 ** この合理的
被覆を施すためには、必ず言葉――それが又論理であるが――を必要とする。それ故言葉....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
拠は無いと云っても、何の根拠も持たない情緒はあり得ない。伝説や伝統もその神秘的な
被覆の下に、或る条件での合理的な核心を蔵しているが、そのように、情緒は直覚的な形....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
揺する時を有つだろう。尤もその時、講義がその学術的価値を保てるかどうか、寧ろその
被覆のない真価を暴露して俗流の講話の段階に堕するものがないかどうか、それは保証の....
「鉛をかじる虫」より 著者:寺田寅彦
ると、ちょっと穀象のような恰好をした鉛のような鼠色の昆虫である。これが地下電線の
被覆鉛管をかじって穴を明けるので、そこから湿気が侵入して絶縁が悪くなり送電の故障....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
きあげようと企図するものであり、そこには抑制せられたる実行意志が黙せる雷の如くに
被覆されているのである。 倫理学を迂遠であり、机上の空論であるとして軽視するの....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
は青春らしいのだ。それが青春の幸福をつくるのだ。青春は浪曼性とともにある。未知と
被覆とを無作法にかなぐり捨てて、わざと人生の醜悪を暴露しようとする者には、青春も....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
めに鉄心はウンウン呻り、油はジュウジュウとあぶくを湧き立てて対流をはじめ、捲線の
被覆は早くも黄色い臭いをあげて焦げつつあった。尤もこの勇敢なる裸電球の照明法は行....