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裂地
「裂地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
裂地の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
いそうなスタイルを択んでいたが、一つ気に入ったのがあったので、特に庸三に強請って
裂地や釦などをも買い、裁断に取りかかっていた。別に洋裁を教わってはいないのだった....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
たら骨っぽい指をのばして、 「それは御使用ずみか?」 と、ひろ子が手にもっていた
裂地《きれじ》づくりの紙入れをさした。その意味がすぐのみこめなくて、ひろ子は、見....
「戦場」より 著者:夢野久作
顔をした青年が、気絶する程に痛い足を十|基米も引摺り引摺り、又もあの鉄と火の八ツ
裂地獄の中へ追返されるのかと思うと、自分自身が截り苛責なまれるような思いを肋骨の....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
気が利いていると(或は、生意気だと)、ハンドバッグ一つ買うにも、鳥居屋へ行って、
裂地から金具まで註文をするが、大阪の女は、こういうことを知らないだろう(大阪の男....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
る。六代目菊五郎の幼時にも、横浜からおなじ柄の着物をもらったというので、いつぞや
裂地《きれじ》をくらべて見たが、秀造おじさんの手に入れたのの方が上等品であった。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
から、ナイフと砥石をとりだした。 ★ 天王会は広大天尊、赤
裂地尊という天地二神を祭神とする。この二神が宇宙天地の根元で、日本の神の祖親に当....
「江木欣々女史」より 著者:長谷川時雨
にはいって、仲間入りの記念《しるし》にと、帯地《おびじ》とおなじに機《お》らせた
裂地《きれじ》でネクタイを造られた贈りものがあったのを、幹事の一人が嬉しがって、....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ました。象眼のある品などは一々袋に入れるので、いくつも縫わせられました。古いよい
裂地でなければといわれて、そんな品は持ち合さないので困りました。それが今度は根附....
「料理する心」より 著者:北大路魯山人
のような独立した芸術でありましても、表装と表具という絵画のきものが要ります。その
裂地もかぎりなく吟味されております。いわんやお料理のように独り歩きの出来ないもの....