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「裏板〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

裏板の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:宮本百合子
ばらばら枯れ葉をお下髪《さげ》の頭にふるい落す。 が、またいつの間にかするする裏板から辷り降り、上ばかり見上げている娘達の鼻先に、ばっさり好い枝を引き下げて、....
三郎爺」より 著者:宮本百合子
れるのを楽しみに、金鎚と指金《さしがね》を握った彼は、仕事場中を見まわりながら、裏板の張り方でもぞんざいなことは許さない。 ちょっとでも手を抜きそうにしようも....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
もちろんこれも一つの臆測《おくそく》である。 やはり岱水で「二階はしごのうすき裏板」の次に「手細工に雑箸《ぞうばし》ふときかんなくず」があり、しばらく後に「引....
二十三番地」より 著者:宮本百合子
らせて居ると、植木屋は二人で四本立てた棒から棒へ床を張り、隣へ面した方へドンドン裏板を打ち始めた。 ドシンドシンとはげしい金鎚の音のする毎に眉をよせて居た隣の....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
その一瞬の間に移り変ってしまうのです。 ですから、心が冷たく打ち沈んだときに、裏板を引くと、そこにはシュテッヘの顔が明るく輝き出すでしょう。 すると、貴女は....
暗号数字」より 著者:海野十三
ン先の看板の裏へかざした。 「さあ、いま私がこの紫外線灯のスイッチを押して、この裏板へ紫外線をあててみます。すると一見この何にも書いてないような板の上に実に興味....
朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
ょうそういん》の御物《ぎょぶつ》の形《かた》ちを模して造らせた話をした。 「箏の裏板へ大きな扉《とびら》をつけて、あの開閉で、響きや、音色《ねいろ》の具合を見よ....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
でもその写真を眺めている。 そのうちに、急に手を伸してそれを取りおろし、素早く裏板をあけて写真を外し、それを衣嚢に押し込むと、その代りに千|法《フラン》の紙幣....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
子一つだったという。弾はもろに下腹を貫通して、うしろにあった鉱石戸棚のひきだしの裏板へめり込むほどの勢だった。つづく二発目は、市岡が体をひねったので斜めに腹部を....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
は広く二層になって、上のは小さかった。入口は思い切り大きい両開きの木の扉が左右に裏板を見せて、ほの暗い内部を透かした向うにかっきりした長方形の雨空と緑との画面が....