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裏返す
「裏返す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
裏返すの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
かっ》と染めつけられた昔の夢は、深く記憶の底に透《とお》って、当時《そのかみ》を
裏返す折々にさえ鮮《あざや》かに煮染《にじ》んで見える。小夜子の夢は命よりも明か....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
。 君はこの物すごい無気味な衝動に駆り立てられながら、水船なりにも顛覆した船を
裏返す努力に力を尽くした。残る四人の心も君と変わりはないと見えて、険しい困苦と戦....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
、今一通には藤枝真太郎殿と書いてある。
藤枝と林田とは各自その封筒をとつたが、
裏返すと二人は、はつとしたように顔を見合わせた。
まぎれもなくその封印の所には....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
どう言うつもりかそのソバカスに顔を近付け、御丁寧に調べ廻していた。が、軈て屍体を
裏返すと、呆れた様に私を見返った。成る程、屍体の後頭部には鉄の棒で殴り付けた様な....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、米友の身体《からだ》で一っ飛びに飛びさえすれば、裏は直ちに表になり、表は直ちに
裏返すことができるのですから始末はいいのです。それと、なお都合のよいことは、ただ....
「狂女」より 著者:秋田滋
ッちゅう寝かしっきりにされていて、身のまわりのこととか、化粧の世話とか、敷蒲団を
裏返すような時でもなければ、誰も彼女をその蒲団のなかから引ッぱり出すようなことは....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
おいきた」
一人が、受取ると、益満が、矢立を開いて、朱肉を印へついて、手紙を、
裏返すと
「うむ」
と、云った。そして
「おい」
と、赤紙を、富士春に渡して....
「レコード夜話」より 著者:宮城道雄
のであった。 私は寝床のすぐ側へ蓄音機をおいて、寝ながら聴いていて、レコードを
裏返す時にはそのまま手を延ばし、一枚済むと上半身を起してかけ変える。誠に無性なよ....
「新案探偵法」より 著者:小酒井不木
なく、手袋の内面の方が、その手袋の持主の手のにおいを余計につけて居る筈ですから、
裏返すのは当然のことです。 さて、一二日その実験を繰返して居るうち、遂に犬に食....