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「補う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

補うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
とすれば、努めてそれを見まいとしたであろう。又見ずにはいられない場合もその短所を補うべき何か他の長所を探したであろう。何か他の長所と云えば、天下に我我の恋人位、....
或る女」より 著者:有島武郎
コケットの典型を見いだしたろう。おまけに葉子は肉体の不足を極端に人目をひく衣服で補うようになっていた。その当時は日露《にちろ》の関係も日米の関係もあらしの前のよ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
に差支えのない人物、人に逢っても挨拶ばかりで、容易に口も利かないくらい。その短を補うに、令夫人があって存する数か、菅子は極めて交際上手の、派手好で、話好で、遊び....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
ぐれた台本を手にしたときにだけ生れるものだ。作のくだらなさを演技指導ないし演出で補うなどということはあり得べきこととは思えない。 くだらぬ台本を手にした場合、....
間諜座事件」より 著者:海野十三
見ることになる。そのためには顔を正面に向けていたのでは、左の方が見えない。それを補うためには右の眼を身体の中心線の方に寄せる必要がある。その時に顔を曲げねばなら....
火星探険」より 著者:海野十三
であって、この艇内から出るには普通のままの服装では出られない。まず酸素不足などを補うために、特別製の圧搾《あっさく》空気をつめた槽《そう》から空気を送って呼吸し....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
で、割合に明いものであったが、困ることには「ほや」などが壊れても、部分的な破損を補う事が不可能で、全部新規に買入れねばならない不便があった。石油なども口を封蝋で....
新学期行進曲」より 著者:海野十三
だ。神様が赤ん坊をさずけたもうたのだ。戦争で、尊い兵士は死ぬ、国力は減る、それを補うのは赤ん坊の誕生だ、笑い事ではない。先生の家には留守番がないのだ。ちょっとい....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いたものの、大蛇のように胃袋をふくらますことができたのだ。ところが、彼は生活費を補うために、このあたりの田舎の風習にしたがって、あちこちの百姓の家に下宿し、食事....
不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
に入れられるか知れぬが、今は一々記臆に存していないのが甚だ遺憾である。この遺憾を補う一端として、最近読んだ書籍の中から、西洋にもあり得た実例の一例として、その要....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
は感想を乞い、集めて一冊として故人の遺霊に手向けた。その折諸君のまちまちの憶出を補うために故人の一生の輪廓を描いて巻後に附載したが、草卒の際序述しばしば先後し、....
西航日録」より 著者:井上円了
欠乏せると、地形の屈曲起伏せるがごとき変化を有せざるとに帰す。しかしてこの欠点を補うに、人工的装置をもってす。例えば海上に桟道を設け、丘上に鉄路を架し、遊歩場、....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
と短所とがあり、わが国の習俗にも長短があるが、その要は、かれの長を取りてわが短を補うようにせねばならぬ。今回豪州行の船名は、郵船会社日光丸でありしが、その船長の....
革命の研究」より 著者:大杉栄
後悔に変ってしまうことを知っているからだ。そして彼等はまたその革命的思想の空虚を補うために、革命の具体化としての合法的暴力を行わなければならないのだ。 彼等は....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の活用を提唱する。国家は先ず国防献金等を停止する。自由主義時代に於て軍費の不足を補うため国防献金を奨励した事は止むを得ない。また自発的の国防献金は国防思想の徹底....