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裸
「裸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
裸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
》をおおうものは、腰のあたりにかけてある、麻の汗衫《かざみ》一つぎりで、ほとんど
裸と変わりがない。見ると、その胸や腹は、指で押しても、血膿《ちうみ》にまじった、....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
持ち出したのは愉快だった。彼は前には甲野がいる時でも、台所の側の風呂へはいる為に
裸になることをかまわなかった。けれども近頃ではそんな姿を一度も甲野に見せないよう....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
》として、眼をあげた。あたりではやはり賑《にぎや》かな談笑の声につれて、大ぜいの
裸の人間が、目まぐるしく湯気の中に動いている。柘榴口《ざくろぐち》の中の歌祭文《....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
これまでのどの仏菩薩の御像《おすがた》にも似ていないのでございます。別してあの赤
裸《あかはだか》の幼子《おさなご》を抱《いだ》いて居《お》るけうとさは、とんと人....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
シャツの胸のはだけたのや、しみだらけの手ぐいで頬《ほほ》かぶりをしたのや、中には
裸体で濡菰《ぬれごも》を袈裟《けさ》のように肩からかけたのが、反射炉のまっかな光....
「女体」より 著者:芥川竜之介
光らせながら、隣に寝ている細君の肩を目がけて、もずもず這って行くらしい。細君は、
裸のまま、さっきから楊の方へ顔を向けて、安らかな寝息を立てているのである。
楊....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
駄《げた》の鼻緒《はなお》に括《くく》りつけてあったと言うことです。何しろ死体は
裸のまま、温泉の中に浮いていたのですから、若しその遺書でもなかったとすれば、恐ら....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
。
Ｂの声 うん。もう露台の下へ来たのだよ。
×
女が大勢
裸ですわったり、立ったり、ねころんだりしている。薄明り。
――まだ今夜は来な....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
いおい烈しくなり始めた。風も横なぐりに落して来ては、時々ずぶ濡れになった衣の裾を
裸《はだか》の脚へたたきつけた。彼は歯を食いしばりながら、足もとばかり見つめて歩....
「少年」より 著者:芥川竜之介
ガラス》障子のあいた音にもう一度ふと目を挙げると、父はちょうど湯気《ゆげ》の中に
裸《はだか》の背中を見せたまま、風呂場の向うへ出る所だった。父の髪《かみ》はまだ....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
える？ 命がけでか？」
副官は負惜《まけおし》みの冷笑を洩らした。
「とにかく
裸にして見よう。」
参謀の言葉が通訳されると、彼等はやはり悪びれずに、早速｜赤....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
は如何なる表現も出来るものではない。
ルッソオは告白を好んだ人である。しかし赤
裸々の彼自身は懺悔録《ざんげろく》の中にも発見出来ない。メリメは告白を嫌った人で....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
牛は、うそつきだったわけでもなんでもない。ただ中学生だった自分の眼が、この樗牛の
裸の姿をつかまえそくなっただけである。自分は樗牛の慟哭《どうこく》には微笑した。....
「初雪」より 著者:秋田滋
そうすれば、良人だって思い切って煖房を据えつける気になるだろう」 彼女はそこで
裸も同然な姿のまま椅子のうえに腰をかけた。こうして彼女は時計が一時を打つのを待ち....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
探るに、悲しやある事なし。気絶して其所に倒れんとするほどになり、二階に駆け上りて
裸になりて改めれどなし。泣く悲しむという事は次になり、ただ茫然たるばかり、面目な....