西の丸[語句情報] » 西の丸

「西の丸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

西の丸の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不尽の高根」より 著者:小島烏水
屋の店頭に人目を驚かしていたのであるが、その地図にある定火消屋敷で、広重が生れ、西の丸のお膝下で、名城と名山の感化を受けていたのだと思うと、晩年に富士三十六景の....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
下から芝浦まで往った。この火に江戸城の本丸並びに二三の丸も焼けたので、将軍家綱は西の丸に避難した。この火には諸大名の邸宅五百軒、神社仏閣三百余、橋梁六十、坊街八....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ラといっそう昂上するばかりで、久しく試みなかった腕が鳴り――なあに、江戸の本丸、西の丸へでさえも御免を蒙《こうむ》れるほどのおれが、奥州仙台六十八万石が何だ――....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
現われてしまいました。 それは藤堂家の家中で、板倉修理というさむらいが、江戸の西の丸のお廊下に身を忍ばせて、戸田の殿様のおかえりを待受けていて、不意に飛びかか....
南国太平記」より 著者:直木三十五
たが、大の攘夷派で、従って極端な洋学嫌いであった。尊王派の頭領として、家来が 「西の丸、御炎上致しました」 と、いった時 「馬鹿っ、炎上とは、御所か、伊勢神宮....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
して見たが、このぶんでは半蔵門で捕るにきまっている。 「ままよ、どうなるものか、西の丸の中に逃げこんでしまえ」 幸いあたりに人がない。 躑躅《つつじ》を植え....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
《ふくずみ》の氷室の氷を朝廷に奉《たてまつ》って以来、六月朔日を氷室の節といい、西の丸では、富士氷室の御祝という儀式があり、大奥、御台所は伺候の大小名に祝いの氷....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
まり部屋で、見かけねえ顔だが、いままで、ど、どこにいらしたんで……」 「あっしは西の丸の新組におりやした。……へっへ、ちっとばかりしくじりをやらかしましてね。ま....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の上で大蔵から命じられたことを思い出してみた。 井戸掘り人足は、江戸城の中の、西の丸|御新城とよぶ作事場へはいる。――と、そんなことまで大蔵は知っていて、 (....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
鬱然とした大樹はあるが、渭山はあまり高くない。山というよりは丘である。西の丸、本丸、楼台、多門など――徳島城の白い外壁は、その鬱蒼によって、工芸的な荘....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
上は二段に削平されて、上段に八幡宮の社殿がある。額に正八幡宮とある。別に二の丸、西の丸などと、構造は普通の山館とは違ってすこぶる込み入っている。兵糧蔵の跡という....
黒田如水」より 著者:吉川英治
たれも疑わなかった。また彼女もそれになりきっていた。初めて城へ上った日、彼女は、西の丸の一間で、きょうから仕える人に目見えをした。それは室殿とも呼ばれ、室のお局....