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「西側〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

西側の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
人ここへ落ちて百姓になった内の一人が斎藤と云ったのだと祖父から聞いて居る。屋敷の西側に一丈五六尺も廻るような椎《しい》の樹が四五本重なり合って立って居る。村一番....
第五氷河期」より 著者:海野十三
そういって老博士は、またもや、鼻をくんくん鳴らした。 午後の陽ざしが、ただ一つ西側にあいた窓から入ってきて、破れたリノリウムの上に、鉄格子の影をおとしている。....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
で待ち尽しましたが、これも亦空しい期待に終りました。それから夕陽が赫々と赤耀館の西側の壁体に照り映えるころを迎えましたが、窓から街道を見下していても、鯨ヶ丘を指....
蠅男」より 著者:海野十三
魔にならぬように、傍についていた。 裏口に廻った部下の一人が帰ってきて、二階の西側の鎧窓に鍵のかかっていないところがあって、そこから中へ這入れると報告をした。....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
元の土を掻き回す様に調べたりしていたが、間もなく複雑な気色を両の眼に浮べながら、西側の隅で虎に餌を与えている番人の姿や、東側の露台の上で気球係の男が軽気球の修繕....
河明り」より 著者:岡本かの子
、口を継いで語った。 「隅田川から芝浜へかけて昔から流れ込んでいた川は、こちらの西側ばかりを上流から申しますと、忍川、神田川、それから古川、これ三本だけでござい....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
《おい》て一層よく知れよう。 秘密地下室 省線|田端《たばた》駅を下りて西側に入り、すぐ右手の丘をのぼり切るとそこに目賀野邸があった。 鞄を護衛した目....
怪塔王」より 著者:海野十三
は大変なものを発見した。この島に、のこぎりの歯のような形をした山がある。この山の西側に、大飛行場があって、そこに怪塔ロケットが七八機集っている。だからこの島は怪....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
って、台湾のどの辺ですか」 「ずっと、南の方さ。台南よりももっと南で、中心よりは西側にあってね。ほら、鳳山守備隊の近くだよ」 「ははあ、馬公の要塞も、割合、近い....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
足のように使われている。 軍艦須磨と明石が横づけになったところは、この飛行島の西側であるが、そこはまだ骨ぐみだけしか出来ていないが桟橋になっていて、将来は四五....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
中の大奇蹟だった。あの最初の大動揺が襲来したときに、この古い煉瓦建の背高い建物は西側の屋根の一角から、ガラガラッと崩れはじめた。彼は真青になったが、前後の見境も....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
な真暗闇から、いかめの鬼が出はしまいか――私は胸を緊めたのです。 「まず、可。」西側の、ここの階段上は、戸はあるが、片とざしで開いていた。 廻廊の上を見れば、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
たか細溝を一跨ぎに脊伸びをして高々と跨ぎ越して、小路の真中へずっと出て、あたかも西側を離れて、これから東側へ廻ろうとして、狭い町の屋根と屋根との中空へ来た、月の....
越年」より 著者:岡本かの子
になれば何処の酒場でもカフェでもお客を追い出すだろう、その時分に銀座の……そうだ西側の裏通りを二、三日探して歩けば屹度あいつは掴まえられるよ」 山岸の保証する....
六日月」より 著者:岩本素白
台寺は高い石段の奥深く、更に又この静かな町からも遠く離れて眠って居る。この通りの西側に、洒落た格子の門構えは陶工永楽の住居。門は鎖して居るが、塀越しに見える庭に....