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「西洋種〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

西洋種の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
母子叙情」より 著者:岡本かの子
ものや野菜は一定していなかった。茄子畑があると思えば、すぐ隣に豌豆の畑があった。西洋種の瓜の膚が緑葉の鱗の間から赤剥けになって覗いていた。畦の玉蜀黍の一列で小さ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
も糸瓜と百日草だけは必ず栽えようと思っている。 わたしは昔の人間であるせいか、西洋種の草花はあまり好まない。チューリップ、カンナ、ダリアのたぐいも多少は栽える....
田舎教師」より 著者:田山花袋
のだが、それを内に入れたり出したりして、楽しみそうに眺めている。花壇にはいろいろ西洋種もまいて、天竺牡丹や遊蝶草などが咲いている。コスモスもだいぶ大きくなった。....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
る。後に、細君であろ、十八九の引つめに結って筒袖の娘々した婦人が居る。土間には、西洋種の瓢形南瓜や、馬鈴薯を堆く積んである。奥の壁つきには六字|名号の幅をかけ、....
魚の序文」より 著者:林芙美子
げ》を持って行こうと思うのよ」そう云って彼女が台所の流し場を指差したのを見ると、西洋種の紅い豆《まめ》の花や、束《たば》の大きい矢車草がぞっぷりと水につけられて....
病室の花」より 著者:寺田寅彦
く宅から持って来た花瓶にそれをさして、室のすみの洗面台にのせた。同じ日に甥のNが西洋種の蘭の鉢を持って来てくれた。代赭色の小鉢に盛り上がった水苔から、青竹箆のよ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ドロス風の異国人であります。 どこの国の異国人だか、それは一向にわからないが、西洋種であり、マドロス風であり、乞食じみていることは、一見、争うべからざるのみな....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
以上。七月十九日朝。 拝啓。一昨日は御書を給はり、辱く奉存候。其節御恵贈の朝鮮産西洋種|梨子、誠にやすらかにして美味、有難存候。彼の争議一件御筆にのせられ候由、....
白い花」より 著者:種田山頭火
私は木花よりも草花を愛する。春の花より秋の花が好きだ。西洋種はあまり好かない。野草を愛する。 家のまわりや山野渓谷を歩き廻って、見つ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
はビイヤホールで語りながら、今も思出すほどか眉を顰めたのである。 名は知らず、西洋種の見事な草花を真白な大鉢に植えて飾った蔭から遠くその半ばが見える、円形の卓....
式部小路」より 著者:泉鏡花
を調べる。時々あの向うの硝子戸を取りまわした、濃い緑の葉の中に、今でも咲いている西洋種のぼっとりした朝顔の花を透かして、藤色や、水紅色の裾を曳いたのがちらちらす....
我家の園芸」より 著者:岡本綺堂
へちまと百日草だけは必ず栽えようと思っている。 私はむかしの人間であるせいか、西洋種の草花はあまり好まない。チューリップ、カンナ、ダリアのたぐいも多少は栽える....
葛飾土産」より 著者:永井荷風
のはいつ頃よりの事か、わたくしはその年代を審《つまびらか》にしない。しかし概して西洋種の草花の一般によろこび植えられるようになったのは、大正改元前後のころからで....
西瓜」より 著者:永井荷風
西瓜もそのころには暗碧《あんぺき》の皮の黒びかりしたまん円《まる》なもののみで、西洋種の細長いものはあまり見かけなかった。 これは余談である。わたくしは折角西....
味覚の美と芸術の美」より 著者:北大路魯山人
れた美を持っている。このごろカーネーションとか、チューリップとか、その他いろいろ西洋種の花を見るが、そのいずれを見ても、子どもの玩具に似て、単に赤いとか黄色いと....