要処[語句情報] »
要処
「要処〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
要処の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ロマネスク」より 著者:太宰治
下や縁先や庭の中をとおって流れていて苔《こけ》の生えた水車がそのたくさんの小川の
要処要処でゆっくりゆっくり廻っていた。次郎兵衛は夜、酒を呑んでのかえりみち必ずひ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
津川を出立した浪士らは加納藩や大垣藩との衝突を避け、本曾街道の赤坂、垂井あたりの
要処には彦根藩の出兵があると聞いて、あれから道を西北方に転じ、長良川を渡ったもの....
「読書法」より 著者:戸坂潤
必然的な繋帯を発見するかにある。今日の日本のヒューマニズム論議が今だに解き得ない
要処がここだ。この『人間の世界』も、この点に来るとやはり無力であるようだ。 だ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
いおわったが、例の一番賢い蛙は、最初人壺辺に来ると知るや、直様《すぐさま》蓋近き
要処に跳び上がり、平日通り蠅を独占しようと構えいたが、右の次第で、全く己より智慧....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
通りであります。
こうして彼等は、相当の収穫を得て、東海道を上りがてらに、また
要処要処の要害や、風土人情を察しつつ西上して来たことも、これまでの巻中に隠見する....
「とんだ屋の客」より 著者:田中貢太郎
りをやってみることにしたが、此の話の舞台は大阪であるから、話中上場の人物は、勢、
要処要処で大阪辯をつかわなくてはならないが、私には大阪辯がつかえないから、喜多村....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
いはないよ。彼女はあれで旺盛な冒険心があるから、飛燕の如く巧妙に身をかわしながら
要処々々をつかんでくれるね」 と目尻をさげて悦に入っている。 「一夜に探れなか....
「競漕」より 著者:久米正雄
成沢の細面とをごみごみした黒い観衆の中からはっきり区別し得た。渡し場から下流には
要処要処に農科の応援船が一二艘ずついた。文科の選手らはその敵方の船から起る声援を....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
、こちらは九州のサドと対立して、サシという語を以て一貫している。例は多いからただ
要処だけを挙げて置くが、 サシトリ(スカッパ) 津軽 サシトリ(シカンコ) 下北....
「日本の頭脳調べ」より 著者:戸坂潤
シティーに於て今日より遙かに豊かになるだろう。この点文化史的に云って極めて大きな
要処であると云わねばならぬ。文化というものの言葉の意味も、今日とは少し別なものに....
「予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
だし、それを少しばかり指先にしぼりだしたことであった。彼はそのワセリンを刷毛箱の
要処要処に塗りつけて、蓋をした時、空気がもれないようにした。指のワセリンをふきと....