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「要害〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

要害の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩を返す話」より 著者:菊池寛
へ雪崩《なだ》れ入った。が、しかし一揆らが唯一の命脈と頼む原城《はらじょう》は、要害無双の地であった。搦手《からめて》は、天草灘の波濤が城壁の根を洗っている上に....
婦系図」より 著者:泉鏡花
この柏屋の姐さんの、小芳と云うものの妹分で、綱次と聞えた流行妓である。 「大層な要害だな。」 「物騒ですもの。」 「ちっとは貯蓄ったか。」 と粗雑に廊下へ上る....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
首を擬せられるようなものである」と。 元就はそういう家臣の反対を押切って、今の要害|鼻に城を築いた。現在連絡船で厳島へ渡ると、その船着場の後の小高い山がこの城....
真田幸村」より 著者:菊池寛
の沼田は、利根川の上流が、片品川と相会する所にあり、右に利根川左に片品川を控えた要害無双の地であるが、関東管領家が亡びた後、真田が自力を以て、切り取った土地であ....
小田原陣」より 著者:菊池寛
玄でも上杉謙信でも、早くから北条氏には随分手を焼いて居る。つまり箱根と云う天然の要害に妨げられたからである。謙信など長駆して来て、小田原を囲んだが、懸軍百里の遠....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
落ちたぎる水の音の凄じく響くのは、大樋を伏せて二重に城の用水を引いた、敵に対する要害で、地下を城の内濠に灌ぐと聞く、戦国の余残だそうである。 紫玉は釵を洗った....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
……こりゃな、仁右衛門や私が時々見廻りに行く時、皆閉切ってあって、昼でも暗えから要害に置いてあった。……先に案内をした時に、彼これ日が暮れたで、取り敢ず点して置....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
うという短刀で怪我でもして、病院へ入ったのかい。」 「いいえ、それはもう、家中で要害が厳重よ。寝る時分には、切れものという切れものは、そっくり一つ所へ蔵って、錠....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
はあいかにもの。」 と、飲んだ茶と一緒に、したたか感心して、 「これぞ、自然なる要害、樹の根の乱杭、枝葉の逆茂木とある……広大な空地じゃな。」 「隠居さん、一つ....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
も上っても。……私も可厭になってしまいましてね。とんとんと裏階子を駆下りるほど、要害に馴れていませんから、うろうろ気味で下りて来ると、はじめて、あなた、たった一....
死者の書」より 著者:折口信夫
る。 世間の氏上家の主人は、大方もう、石城など築き廻して、大門小門を繋ぐと謂った要害と、装飾とに、興味を失いかけて居るのに、何とした自分だ。おれはまだ現に、出来....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
から右へ取って返して、小宮山はこの家の周囲をぐるぐると廻って窺いましたが、あえて要害を見るには当らぬ。何の蝸牛みたような住居だ、この中に踏み込んで、罷り違えば、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
方より積込ませ、漕入れさせ、納屋にも池にも貯うること乱杭逆茂木を打ったるごとく、要害堅固に礎を立てた一城の主人といっても可い、深川木場の材木問屋、勝山重助の一粒....
式部小路」より 著者:泉鏡花
った上と下、一杯になって燃えてるのを私あお宅を行き抜けにお出入の合ったお庇にゃ、要害は知ってまさ。お嬢さんが生命から二番目の、大事の大事のお雛様。や! 大変だ。....
活人形」より 著者:泉鏡花
事の前に運悪くも悪人の眼に止まりたるなり。 さりとも知らず泰助は、ほぼこの家の要害を認めたれば、日の暮れて後忍び入りて内の様子を探らんものをと、踵を返して立去....