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「覆る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

覆るの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
とタカリ初める。山蛭が吸付きに来る。寝ても醒ても油断が出来ない中に、やがて天地も覆る大雷雨、大|颶風、大氷雪が落かかって、樹も草もメチャメチャになった地上を、死....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
退いて、私はそのたびに洋燈を圧え圧えしたんですがね。 坐ってる人が、ほんとに転覆るほど、根太から揺れるのでない証拠には、私が気を着けています洋燈は、躍りはため....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
あらず。修容正粛ほとんど端倪すべからざるものありしなり。されど一たび大磐石の根の覆るや、小石の転ぶがごときものにあらず。三昼夜麻畑の中に蟄伏して、一たびその身に....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
うから、余程小さい男であります。割合に肥って居て頭が大きいから、駈けると蹌けて転覆る事がありますが、一寸見ると写し画の口上云い見たいで、なんだか化物屋敷へ出る一....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
には及びません、舟は手慣れたのがよろしい、いかに小舟で大洋へ乗り出しても、決して覆ることはないものだ、舟には心配はない、心配がありとすれば、食糧と気候の変化だけ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
浪と闘いましたが、やがて両三|人は浪に呑まれ、残余は力つきて船底に倒れ、船はいつ覆るか判らなくなりました。すべてはものの半刻と経たぬ、ほんの僅かの間のことでござ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
れ等の教によりて幸福と、進歩との鍵を掴み、そして縦令千歳の後に至るとも、この教の覆ることは絶対にないと信ずる。何となればわれ等の教は、飽くまでも合理的の推理と、....
蓮花公主」より 著者:田中貢太郎
如く、目、江海に等し。首を昂ぐれば即ち殿閣|斉しく呑み、腰を伸ばせば則ち楼垣尽く覆る。真に千古末だ見ざるの凶、万代遭わざるの禍、社稜宗廟、危、旦夕に在り。乞う皇....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
た。風の音、雨のしぶき、それから絶え間ない稲妻の光、――暫くはさすがの峨眉山も、覆るかと思う位でしたが、その内に耳をもつんざく程、大きな雷鳴が轟いたと思うと、空....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
て、多助が両掌を合せて拝んでいる手と胸の間へ足を入れて、ドウンと蹴倒しまして、顛覆る所を土足で蹈かけ、一方の手に抜刀を持って、 小「出さなければ殺すぞ」 と云....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
船へ乗った。彼は思索に思い入りながらすぐ寝てしまった。颶風が襲って来た。今は船も覆るほどの大荒になって来た。船客も船頭も最早や奇蹟の力を頼まねばならぬ羽目になっ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
って来るか知れないから、重三が死んでも申し訳の立つ訳ではないのだから、実に宅は転覆るような騒ぎで、それに丁度政七も重三郎も厄年だから、川崎の大師さまへ参って護摩....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
も廃ったなあ。やはり清十郎様、伝七郎様の二つの柱がもう抜けてしまったのだ。大廈の覆るとはこのことか」 影法師の一かたまりが囁いていると、彼方の石垣の崩れに腰か....
べんがら炬燵」より 著者:吉川英治
は、戯れながら、とうとう、彼を捕えて、罰杯として、大きな杯でのませた。十郎左は、覆るように、坐って、 「討死」 と、いった。 「まだ、ちと、早い」 早水藤左....