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覆轍
「覆轍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
覆轍の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命」より 著者:幸田露伴
に移る無く、傾覆の患も生ずるに地無からんと。太祖の深智達識は、まことに能く前代の
覆轍に鑑みて、後世に長計を貽さんとせり。されども人智は限有り、天意は測り難し、豈....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
久治安の策をなさない時には、すなわち北条の後に足利を生じ、前姦去って後奸来たるの
覆轍を踏むことも避けがたいであろう。今や、内には崩れ行く中世的の封建制度があり、....
「花吹雪」より 著者:太宰治
感得仕るよう不断精進の所存に御座候えば、卿等わかき後輩も、老生のこのたびの浅慮の
覆轍をいささか後輪の戒となし給い、いよいよ身心の練磨に努めて決して負け給うな。祈念。....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
を立っている。新領地の事であるから、留守にも十分に心を配らねばならぬ、木村父子の
覆轍《ふくてつ》を踏んではならぬ。会津城の留守居には蒲生左文|郷可《さとよし》、....
「三面一体の生活へ」より 著者:与謝野晶子
決してあの暴状を摸ねようとは考えないのですから、露西亜人は世界人類のために前車の
覆轍を示したことになります。また露西亜人とても何時まで今日のような無紀律な状態が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
世界に冠たることを説き、その文明国を夷狄視《いてきし》することの浅見より、支那の
覆轍《ふくてつ》を説いての教え方も要領を得ている。 次に右五大洲中八百四十万坪....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
測し、日本の学問は不幸にして政治に附着して、その惨状の極度はかの趙末、旧水戸藩の
覆轍《ふくてつ》に陥ることはなかるべきやと、憂苦に堪えざるなり。 されば今日こ....
「黒田清隆の方針」より 著者:服部之総
界中海軍の勢威を輝かす英米両国互に兵端を開けば、必ず南仏陸地に於て勝負を決したる
覆轍《ふくてつ》(普仏戦争一八七〇年七月宣戦――九月セダン大敗)に出でざる事知る....