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「見せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
はない。少年の後ろから歩いて行く男。この男はちょっと振り返り、マスクをかけた顔を見せる。少年は一度も後ろを見ない。 48 斜めに見た格....
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
は少しも興味を与えなかった。それは自然の美しさよりも寧ろ自然の醜さを目のあたりに見せるばかりだった。けれども本所の町々はたとい自然には乏しかったにもせよ、花をつ....
英雄の器」より 著者:芥川竜之介
の不足ではない。その証拠には、これだけの軍勢で、必ず漢の軍を三度《さんど》破って見せる』と云ったそうです。そうして、実際三度どころか、九度《くたび》も戦って勝っ....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
などと申す噂が、一層高くなったのでございましょう。が、天狗ならば一矢に射てとって見せるとか申して、わざわざ鞍馬の奥から参りました猟師も、例の諸天童子の剣《つるぎ....
河童」より 著者:芥川竜之介
ゆくうちにも、時々わざと立ち止まってみたり、四《よ》つん這《ば》いになったりして見せるのです。おまけにちょうどいい時分になると、さもがっかりしたように楽々とつか....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
おん教を捨てたければ、勝手にお前だけ捨てるが好《い》い。おれは一人でも焼け死んで見せるぞ。」 「いえ、わたしもお供《とも》を致します。けれどもそれは――それは」....
仙人」より 著者:芥川竜之介
》のある尻尾を、二三度ものものしく動かして、ちょいと後足《あとあし》だけで立って見せる。更紗《さらさ》の衣裳の下から見える前足の蹠《あしのうら》がうす赤い。――....
仙人」より 著者:芥川竜之介
「それはうちへおよこしよ。うちにいれば二三年|中《うち》には、きっと仙人にして見せるから。」 「左様《さよう》ですか? それは善い事を伺いました。では何分願い....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
彼の眼の下には、ただうす白い霧の海が、それらしい平地をぼんやりと、透《す》かして見せるばかりであった。彼はしかし岩の上に、朝焼《あさやけ》の空を負いながら、長い....
捨児」より 著者:芥川竜之介
その証拠はここにある。」と云う。そうして乳を出しながら、美しい手に絞《しぼ》って見せる。乳は五百|条《すじ》の泉のように、高い楼上の夫人の胸から、五百人の力士の....
少年」より 著者:芥川竜之介
海はいずれも同じようにまっ青《さお》だった。殊に縁日《えんにち》の「からくり」の見せる黄海《こうかい》の海戦の光景などは黄海と云うのにも関《かかわ》らず、毒々し....
将軍」より 著者:芥川竜之介
件の顛末《てんまつ》を話した。が、将軍は思い出したように、時々|頷《うなず》いて見せるばかりだった。 「この上はもうぶん擲《なぐ》ってでも、白状させるほかはない....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
た。そうしたら、うしろで「いやあだ。」と云う声と、猪口の糸底ほどの唇を、反らせて見せるらしいけはいがした。 外濠線へ乗って、さっき買った本をいい加減にあけて見....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ーのしておった仕事について述べよう。 ファラデーの仕事は、ブランド教授が講義に見せる実験の器械を前以て備え置き、時間が来ると教授の右方に立って、色々の実験をし....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
どうして育てて行こうかと、道々心配して帰って来ましたが家へ帰ってお神さんに赤児を見せると、子のないお神さんが大変喜んでくれたので、ほっと安心しました。しかし伊作....