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「見せ場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見せ場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ね。それが、いかにもレヴェズが演ずる、悲壮な時代史劇のようで、またあの性格俳優の見せ場らしい、大芝居みたいにも思われるだろう。しかし、それは悲愁ではあるけれども....
戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
からたいした収穫は予期していなかったが、それだけにまた、マタ・アリとしては、腕の見せ場になろうというもの。ちょうど当時、ドイツとアフガニスタンとの間にも進行しつ....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
りだれでもすぐに気のつく、そうしてだれにでも簡単な言葉で表現されうるようなうまい見せ場はたくさんある。たとえばいちばん始めに映出される屋上の「煙突のある風景」が....
十月の文芸時評」より 著者:宮本百合子
積をもり込んでいるのであるが、「近頃どんな映画を見ても演出を見ても『なんだここが見せ場か』『ここが山か』と案外その見せ場や山が大したものでないのにガッカリしてい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
で、お膝元の大江戸から派遣せられたものであってみれば、草津や長浜の町が、その腕の見せ場ではないはず。米友やがんりきだけが当の相手ではあるまい。あれらは、ほんの道....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
た強情な狡猾さがぷうんのいいマニラ帆綱のさきに、鉄鋲を結びつけた喧嘩用武器の|大見せ場だ。放尿する売春婦と暗い街灯の眼くばせだ。船員の罵声と空地の機械屑だ。飛行....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、功名と恩愛とを身一つに仕分けなくっちゃならねえ、そのくせこうといってパッとした見せ場もなく、ふまえて行かなくっちゃならねえのだから、たておやまの中でも、底力が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
んなこと、苦になりませんよ」 「それだけならいいが、拙者の病が出る、久しく酒乱の見せ場を出さなかったが、こいつは急に自分を誘惑する、手つかず人を酒乱に落しそうな....
丹下左膳」より 著者:林不忘
別れ、草を踏みにじり木の葉を散らしてまさにここは神変夢想対月輪一刀の、二流優劣の見せ場となった。 剣戟《けんげき》のひびきは、一種耳底をつらぬいて背骨を走る鋭....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
うことについても軽く考えては居りません。そういう判断に当って一箇の才分とか自分の見せ場だとか対立の感情(まけた、勝った、世俗的な)だとかが、どんなに邪悪な作用を....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
の(松助)稲垣小三郎(菊之助)小三郎の妻おみよ(栄三郎)等で、矢切村の丈助殺しが見せ場であった。稲垣の下男丈助が悪人に語らわれて主人を破滅に陥れ、素知らぬ顔で矢....
梟雄」より 著者:坂口安吾
った。学識をたたかわす機会は多数の意志で自然に避けられるようになり、法蓮房の腕の見せ場はなくなった。 これに反して儀式の行事は南陽房が上の位置で厳粛に執り行う....
文化祭」より 著者:坂口安吾
が、彼はその方にも縁がなかった。少くとも学校で教えてくれる学問というものには腕の見せ場がなかったのである。農村の特殊階級、大旦那の坊っちゃんだから、物さえ言わな....
魔像」より 著者:林不忘
へ、堂々と斬りこんで来た二人喬之助と魚心堂にお絃、それに喬之助弟琴二郎。喧嘩屋の見せ場である。喬之助と右近の影武者同士は例によって神出鬼没《しんしゅつきぼつ》を....
露の答」より 著者:坂口安吾
ところが五郎兵衛はそのとき私事に悩んでおって、居所さえ定かならず、一世一代の腕の見せ場所で、時を失し、機を失した。五郎兵衛の居所を探すために院外団が東西又南北の....