見た目[語句情報] »
見た目
「見た目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見た目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
の主人は、簫を吹くのであるか。……そういえば、余りと言えば見馴れない風俗だから、
見た目をさえ疑うけれども、肥大漢は、はじめから、裸体になってまで、烏帽子のような....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
喝して、 「神田の祭礼に叩き売っても、娘の縁で借りるもんかい。河野!」 と屹と
見た目の鋭さ。眉を昂げて、 「髯があったり、本を読んだり、お互の交際は窮屈だ。撲....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
う。 舌長姥 こぼれた羹は、埃溜の汁でござるわの、お塩梅には寄りませぬ。汚穢や、
見た目に、汚穢や。どれどれ掃除して参らしょうぞ。(紅の袴にて膝行り出で、桶を皺手....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
子 解いても可い、(結び目に手を掛け、思慮す)が、解かんでも可かろう。……最初に
見た目はどこまでも附絡う。(美女に)貴女、おい、貴女、これを恐れては不可ん、私は....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ているのに。…… 先達の仁右衛門は、早やその樹立の、余波の夜に肩を入れた。が、
見た目のさしわたしに似ない、帯がたるんだ、ゆるやかな川|添の道は、本宅から約八丁....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
た――こっちの町|尽頭の、茶店……酒場か。……ざっとまあ、饂飩屋だ。それからは、
見た目にも道わるで、無理に自動車を通した処で、歩行くより難儀らしいから下りたんで....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
染めているので分る。女は気味が悪かろうが、そんなことは一向構わん、艶々として、と
見た目に、舌まで黒い。 十二 「何とかいったな、あの言種は。――宴....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
申訳のない次第だ。 薄暗くってさっきからちょっと見つからないもんだから、これも
見た目の幻だったのか、と大抵気を揉んだ事じゃない。 お君さん、」 と云って、....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
い中に、海第一と聞えた美女。 帽子の裡の日の蔭に、長いまつげのせいならず、甥を
見た目に冴がなく、顔の色も薄く曇って、 「銑さん。」 とばかり云った、浴衣の胸....
「露肆」より 著者:泉鏡花
電燈の前、瓦斯の背後のも、寝る前の起居が忙しい。 分けても、真白な油紙の上へ、
見た目も寒い、千六本を心太のように引散らして、ずぶ濡の露が、途切れ途切れにぽたぽ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
三造の裾を二ツ三ツ、煽ぐように払いてくれた。 「ところで、」 顔を振って四辺を
見た目は、どっちを向いても、峰の緑、処々に雲が白い。 「この日脚じゃ、暮切らぬ内....
「多神教」より 著者:泉鏡花
なあ、流に浸りそうに捌き髪で這うて渡った。その大な腹ずらえ、――夜がえりのものが
見た目では、大い鮟鱇ほどな燐火が、ふわりふわりと鉄橋の上を渡ったいうだね、胸の火....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
すな。」 と莞爾して、急に上げた瓜核顔が、差向いに軽く仰向いた、眉の和やかさを
見た目には、擬宝珠が花の雲に乗り、霞がほんのりと縁を包んで、欄干が遠く見えてぼう....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
ずに聞いた路なのではなかったのである。 「御信心でございますわね。」 と、熟と
見た目を、俯目にぽッと染めた。 むっくりとした膝を敲いて、 「それは御縁じゃ―....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
いえ、その。」 「さあ、まあ、どうなすったんでございますねえ。」 凄い。じっと
見た目が袂を引いたより力が強い。見す見す魔界と知りながら、年増の手には是非もない....