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「見るようだ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見るようだの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
。古藤のそばに岡を置いて見るのは、青銅の花《か》びんのそばに咲きかけの桜を置いて見るようだった。葉子はふと心に浮かんだその対比を自分ながらおもしろいと思った。そ....
海異記」より 著者:泉鏡花
暗い納戸の方を顧みる。 十二 「ああ、何だか陰気になって、穴の中を見るようだよ。」 とうら寂しげな夕間暮、生干の紅絹も黒ずんで、四辺はものの磯の....
河口湖」より 著者:伊藤左千夫
るが、真に玉松である。幹の赤い色は、てらてら光るのである。ひとかかえもある珊瑚を見るようだ。珊瑚の幹をならべ、珊瑚の枝をかわしている上に、緑青をべたべた塗りつけ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
てる所は、彼のいかつい毬栗頭と相俟って、さながら画に描いた叡山の悪僧を目のあたり見るようだった。彼を知っている人は殆ど口を揃えて第一印象がどうしても悪人としか思....
槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
藍色は、大山脈の頭を見ているというよりも、峡間から大海の澄み返って湛えているのを見るようだ、その中で我が槍ヶ岳という心臓が、日本アルプスという堅硬な肉体に、脈を....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
か」 梅「何うして私も草臥れています」 先の方へぽく/\行く人が、後を振反って見るようだが、暗いので分らん。 梅「えゝもし……其処においでのお方」 男「はっ…....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
って、尺余に及ぶのもある。草葺の屋根を伝う濁った雫が凍るのだから、茶色の長い剣を見るようだ。積りに積る庭の雪は、やがて縁側より高い。その間から顔を出す石南木なぞ....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
いマホガニーの荒削りの木地と白真鍮の鋭い角が漂う闇に知らん顔をして冷淡そのものを見るようだ。フェルナンドは若くて死んだアルザス人だ。夭逝した天才の仕事には何処か....
死者の書」より 著者:折口信夫
い睡りの後見たいな気がする。あの音がしてる。昔の音が――。 手にとるようだ。目に見るようだ。心を鎮めて――。鎮めて。でないと、この考えが、復散らかって行ってしま....
次郎物語」より 著者:下村湖人
りにならばされた。 恭一を真ん中にして兄弟三人が並ぶと、まるで聖徳太子の画像を見るようだと、みんなが笑ったものだが、実際今では、次郎の身長は俊三と三分とちがっ....
イオーヌィチ」より 著者:神西清
墓地ははるか彼方に黒々とした帯になって現われ、まるで森か、さもなくば大きな庭園を見るようだった。やがて白い石垣や門が見えてきた。……月の光をたよりに、その門の上....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
る代りに新らしい生気を欠いていた。幸田露伴はかつて『浮雲』を評して地質の断面図を見るようだといったが、『其面影』は断面図の代りに横浜出来の輸出向きの美人画を憶出....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
外の同胞、自ら中堅となって四股を踏み、群雄を睥睨しおる様は、丁度、横綱の土俵入を見るようだ。さはいえ、乗鞍や槍の二喬岳を除けば、皆前衛後衛となって、恭しく臣礼を....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
せおる。 お前達の群になっているのを見ると、畑の緑の 作物を掩いに降りて来る蝗を見るようだ。 余所の努力を食い潰す奴等奴。切角芽を出す 国の富を撮食で耗す奴等奴....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
上部は円天井のように狭い河身を掩うている。まるで片側の上の方が途切れた長い洞穴を見るようだ。それが可なりの距離に亘って連続している。岩は石英粗面岩ではないかと思....