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「見れば見るほど〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見れば見るほどの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
た。太い眉《まゆ》、尖った頬骨《ほおぼね》、殊に切れの長い目尻、――これは確かに見れば見るほど、いつか一度は会っている顔です。 「おん主《あるじ》、『えす・きり....
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
。 客は註文を通した後《のち》、横柄《おうへい》に煙草をふかし始めた。その姿は見れば見るほど、敵役《かたきやく》の寸法《すんぽう》に嵌《はま》っていた。脂《あ....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
認すればいいのであるか。それらの矛盾は、ただに一見して矛盾に見えるばかりでなく、見れば見るほどどこまでも矛盾しているのである。かくて今や「自然主義」という言葉は....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
側から、灯に照らされた秀蓮尼の浮き彫のような顔を穴のあくほどジッと見つめていた。見れば見るほど端麗な尼僧であった。まだ若い身空を、この灰色の庵室に老い朽ちるに委....
地球盗難」より 著者:海野十三
夫は激しい動悸を一生懸命に鎮まらせようとしたが、なかなか思うように行かなかった。見れば見るほど、奇異なる存在だった。それは実に身体が大きな亀ぐらいもある恐ろしく....
恐竜島」より 著者:海野十三
めることができた。そしてこの怪奇にぜっする恐竜洞を一そう心をおちつけてながめた。見れば見るほど、天下の奇景《きけい》であった。岩山がうまくより集って、偉大なる巣....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
ってきたのであった。醤の喜びは、察するに余りある次第であった。 「おい、油学士。見れば見るほどすばらしい製図ではないか」 醤は、どう褒めてよいか分らないから、....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
眼がしょぼしょぼなのよ。ほほほほ」 なるほど、アンの眼は睡そうであった。仏は、見れば見るほど、子供のように可愛いところのあるアンを、これ以上、彼の我儘のため疲....
火星兵団」より 著者:海野十三
外を見ていた。はんたいの方向にまわる火星の二つの月はだんだんと両方へ離れていく。見れば見るほど、不思議な月であった。 「先生、ぼくは、なんだか夢を見ているような....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
ようだといったがいいか、それともアルプスの峰々が海底にしずんだといったがいいか、見れば見るほど、ものすごい大じかけのものであった。 ケレンコは、日本攻略のため....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
関節や腰を曲げるのに都合がいいように作ってあるのだ」 銀びかりのする宇宙服は、見れば見るほど、ものすごいものだった。あんな大きなものを着て歩けるかと心配をする....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
で、素顔を知らない。事実、見分けがつきかねているのだった。 なるほど、どれも、見れば見るほど、この間の硝子屋によく似ている。 「なんじゃ、わしにこの七名の中か....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
何とぬかした。お前が乃公の御本家か。たわけめ」 阿Qは黙っていた。 趙太爺は見れば見るほど癪に障って二三歩前に押し出し「出鱈目もいい加減にしろ。お前のような....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
の不毛地、税金だけはかかってくるが、一文の利用価値もないように思えるその草ッ原を見れば見るほど、考えれば考えるほど、ことに家計の方の苦しみが増大するにつれて、こ....
無表情の表情」より 著者:上村松園
て居ります。 ◇ 能楽に用いる面ですが、あれは佳いものになると、よく見れば見るほど微妙なもので感心させられます。名人達人の作になるものなど、まるで生....