見下す[語句情報] » 見下す

「見下す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見下すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
りつく島のない気持で想い出さされてしまった。なお、今しがた矢野さんが残して行った見下すような(――と豹一は思った――)一瞥を想い出した。 豹一は自分の表情をも....
婦系図」より 著者:泉鏡花
いけれども、姉さん、貴女は兄さん(医学士)がやかましいんだもの、面倒よ。」 と見下す顔を、斜めに振仰いだ、蒼白い姉の顔に、血が上って、屹となったが、寂しく笑っ....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
一 赤沢医師の経営する私立脳病院は、M市の郊外に近い小高い赭土山の上にこんもりした雑木林を背景に、火葬場へ行く道路を見下すようにして立っているのだが、それはもうかなり旧式の平屋建で立っていると云う....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
ような高まりの上に礎石を載せていた。天井の高い二階建ての洋館は、辺りの日本建築を見下すように見える。赤い煉瓦造りの壁面を蔦蔓がたんねんに這い繁ってしまっている。....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
い泡が、はたとたち切れると、艇はすーっと浮きあがった。空中の旅が始ったのである。見下す海面は、ガラス板のように滑らかであった。 どこかで、無電をうっているらし....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
をやめて秀才も挙人も不用になり、それで趙家の威風が減じ、それで彼等も阿Qに対して見下すようになったのか。そんなことはありそうにも思われない。 阿Qは拠所なく彳....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
。妓と酒とはいわば風流のすさびであろう。そういう境地に韜晦して、白眼を以て世間を見下すという態度には出でなかった。南朝の詩でも朗吟すれば維新の志士のおもかげすら....
月世界競争探検」より 著者:押川春浪
がす。」 と再び二人は飛行船に乗じて、今度は地と擦れ擦れに進みながら、そこここと見下すとある山の麓にこんもりとした林があってその間に一筋の小川が流れている。 「....
京のその頃」より 著者:上村松園
った。川幅がもっと広くて、浅い水がゆるゆると流れていた。四条の擬宝珠の橋の上から見下すと、その浅い川の上一面の雪洞の灯が入って、よく見ると雪洞は床几に一つずつ置....
入れ札」より 著者:菊池寛
らと明けて来た。丁度上州一円に、春蚕が孵化ろうとする春の終の頃であった。山上から見下すと、街道に添うた村々には、青い桑畑が、朝靄の裡に、何処までも続いていた。 ....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
の丸木橋にて、彼岸に達すべく巌頭に立てば、大雪山の数峰の頂も見えて、川を見上げ、見下す風致も、浮世のものならざる也。 明くれば一行の外、温泉の若主人塩谷忠氏、....
」より 著者:カフカフランツ
だKが一度も聞いたことのないような叫び声によってだけおそらく中断される彼の沈黙、見下すような彼の視線のことを思ってみた。その見下すような視線は、けっして確認もさ....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
、本能といおうか、ただただ不思議である。別けて人を押し負かして優れた力により人を見下す快を思うとき慧鶴青年の心は躍った。そしてこういうとき、必ず慧鶴の心に富士の....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
射したという噂が伝わった。それは、神戸の人間が、その朝小便に出たところが全大阪を見下す大入道が大阪の空に立っていたので気絶して死んでしまったということから話は拡....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
誰だか奥様は寝間着じゃないかなどというものも出てまいり、神様を高い処から寝間着で見下すとは怪しからん。引きずり落しちまえってわけで、気の早い者がヴェランダへ駈け....