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見分ける
「見分ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見分けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
、前髪の垂れた若侍、――そう云うのを皆甚内とすれば、あの男の正体《しょうたい》を
見分ける事さえ、到底《とうてい》人力には及ばない筈です。そこへわたしは去年の末か....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
もあるのでしょう? 大学の教授は野菜学の講義をしているそうですから、野菜の善悪を
見分けるくらいは何でもないと思いますが、……」
老人「ところが大学の教授などは....
「路上」より 著者:芥川竜之介
様な店の奥の乏しい光も、まっ赤な土耳其帽《トルコぼう》を頂いた藤沢《ふじさわ》を
見分けるには十分だった。俊助《しゅんすけ》は答礼の帽を脱ぎながら、埃臭《ほこりく....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
から、一同集って、手負《てお》いを抱きあげて見ると、顔も体も血まみれで誰とも更に
見分ける事が出来ない。が、耳へ口をつけて呼ぶと、漸く微《かすか》な声で、「細川越....
「或る女」より 著者:有島武郎
をかばいながら車から降りて、そこに立ちならんだ人たちの中からすぐ女将《おかみ》を
見分ける事ができた。背たけが思いきって低く、顔形も整ってはいないが、三十女らしく....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
優しさであった。僕が畜生とまで嗅ぎつけた女にそんな優しみがあるのかと、上手下手を
見分ける余裕もなく、僕はただぼんやり見惚れているうちに、 「待つウ身にイ、つらー....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
た。眉間尺の首と、楚王の首と、かの男の首と、それが一緒に煮え爛れて、どれが誰だか
見分けることが出来なくなったので、三つの首を一つに集めて葬ることにした。 墓は....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
上部を射ぬき、わきの下にぬけている重傷であったが、春木少年には、そこまではっきり
見分ける力はなかった。しかし傷口があることは彼にもよく見えたので、そこを早くしば....
「地球要塞」より 著者:海野十三
ていないことが、明らかになった。すると、米連艦隊は、煙幕をとおして、標的の実体を
見分ける特殊な測距儀をもっているのであろう。 「しまった!」 私は、歯ぎしりを....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
「これは、どちらの御婦人で、」 と先達は、湯を注しかけた土瓶を置く。 「それを
見分けるほど、その場合落着いてはいられませんでした。 敷居を跨ぐ時、一つ躓いて....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ろいてしまいました。そうして、こんなものはむすめではないといいました。もうたれも
見分けるものはありません。知っているのは、裏庭にねている犬と、のきのつばめだけで....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
すぐそばから叫び出したのであるが、わたしが暗闇のうちをじっと見つめた時には、何も
見分けることは出来なかった。私はややしばらく待っていたが、再びその音を聞くことが....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
いうものを深く研究していないから、多くの作家の作品の中に書かれた京都弁の違いを、
見分けることが出来ないのだろうとも、一応考えられるけれども、一つには、京都弁その....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
、足場が持って来いだ。それをこの二丈五六尺から高い樹の上から、暗闇の中にちゃんと
見分けることのできる俺だのに、貴様達にはそれができぬ。夜目について威張った口を利....
「宝石商」より 著者:小川未明
たくさんの金のもうかることだけは、よく知っていました。そのうえ、男は、よく宝石を
見分けるだけの目を持っていました。 男は、ひともうけしようと思って、北の国へま....