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見台
「見台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見台の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老年」より 著者:芥川竜之介
宝《しっぽう》に花菱《はなびし》の紋が抉《えぐ》ってある、華奢《きゃしゃ》な桐の
見台《けんだい》にも、あたたかく反射しているのである。その床の間の両側へみな、向....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
かったので、不審に思いながらよくよく見ると、返事のなかったのも無理からぬ事です。
見台の端の建札に小さく、次のような人を喰った文字が書かれてあるのでした。 「唖....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
じゃが、殊に真弓に考えて貰いたいと思うのじゃが、わしは孫の三吉を連れて監視哨の物
見台へ上ろうと思うのだよ」 「ああ、お父さん、そんなこと、いけないわ」 「なあに....
「少年時代」より 著者:幸田露伴
遊ばせないという家の掟でしたから、毎日々々朝暗いうちに起きて、蝋燭を小さな本箱兼
見台といったような箱の上に立てて、大声を揚げて復読をして仕舞いました。そうすれば....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
とした髪も男のさかりらしく、それを天保時代の風俗のような髻に束ねてあった。それは
見台をわきにした座像で、三蓋菱の羽織の紋や、簡素な線があらわした着物の襞※にも特....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
思われた。三曲|済んで休憩になった。
九時二十分頃、呂昇が出て来て金屏風の前の
見台に低頭した。連れ弾は弟子の昇華。二人共時候にふさわしい白地に太い黒横縞段だら....
「海底都市」より 著者:海野十三
その用箋の上には次のような文字がしたためてあった。 ――君は九日午後七時|不二
見台《ふじみだい》に立っているだろう。これが第二回目の知らせだ。 これを読むと....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
その左の目の瞳に近く、ポッツリ星がはいっていた。それが変に気味悪かった。黒塗りの
見台が置いてあった。算木、筮竹が載せてあった。その人物が左伝次であった。茶無地の....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
瑠璃会がよく催された。盲目の浄瑠璃の師匠を父が世話して家を持たせていた。太棹も、
見台も自分用のを持っていた。 母、祖母、姉たち、武村(分家)の叔母、従姉たち、....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
いた。自習室は、すべてがそうあらねばならぬように整えられ、君子も小人も、一様に書
見台を前にし、鉛筆をけずり、辞書をひろげ、計算棒をにらみ、そして、粛然と、週番生....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
があった。算木、筮竹、天眼鏡、そうして二、三冊の易の書物――それらを載せた脚高の
見台、これが店の一切であった。葦簾も天幕も張ってない。
見台には白布がかかっていて....
「美音会」より 著者:佐藤垢石
辺を気にしていた。 次の序遊の一中節。あの禿げた頭を前の方へ伸べて平たく座って
見台を眺めたところを見ると吉備舞と異なって急に芸人臭い感じがした。渋い喉で蝉丸の....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
燭も電池も要らぬ。カフェ・ピリケンの前にひとり、易者が出ていた。今夜も出ていた。
見台の横に番傘をしばりつけ、それで雪を避けている筈だが、黒いマントはしかし真っ白....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
、市中の寄席に出勤して相応の入りを取っていたのである。殊に国五郎は人気があって、
見台ぬけのケレンなどで喝采を博していた。猿若町の市村座のそばに文楽座があったが、....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
い。吉田国五郎の人形芝居は例えば清玄の庵室などでも、血だらけな清玄の幽霊は太夫の
見台が二つにわれると、その中から姿を現したものである。寄席の広瀬も焼けてしまった....