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見回り
「見回り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見回りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ころにためといた仕事を詰めてやったんで眠れん。で散歩のつもりで甲板《かんぱん》の
見回りに出ると岡さん」
といいながらもう一度後ろに振り返って、
「この岡さんが....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
にもうろうろするにゃ当たらねえじゃござんせんか」 「決まってらあ。おれたちが火事
見回りに行くんじゃねえんだよ。火事が出そうなこんな晩にゃ、火消しや鳶《とび》人足....
「錯覚の拷問室」より 著者:佐左木俊郎
休業の鐘が鳴ってちょっと教員室に引き揚げていってからすぐまた、自分の受持ち教室の
見回りに引き返してくるのが例だった。間のもっとも長い昼食後の休み時間には、わけて....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
太い青竹の根を張った藪の中で、半蔵は帯を締め直した。父と連れだってそこいらへ
見回りに出たころは、本陣の界隈に住むもので家の中にいるものはほとんどなかった。隣....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
に朝茶をすますとすぐ馬籠本陣の裏二階を降りた。彼の習慣として、ちょっとそこいらを
見回りに行くにも質素な平袴ぐらいは着けた。それに下男の佐吉が手造りにした藁草履を....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の用人らも引き揚げて行った。駅長としての半蔵はその最後の一行を送り出した後、宿内
見回りのためにあちこちと出歩いた。彼は蔦屋という人足宿の門口にも立って見た。そこ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
その税も出さずに済むとはの類だ。 廃藩置県以来、一村一人ずつの山守、および留山
見回りも廃されてから、伊之助もその役から離れて帯刀と雑用金とを返上し、今では自家....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
に強いので、話し声はそれに打ち消されたようにしばらく途切れた。女中が二階や三階を
見回りに来たので、安井君はさらにビールと肴とを注文した。 「そこで、土人と猿の一....
「忠義な犬」より 著者:楠山正雄
いました。りょうしは何事が起こったのかと思って、山刀を持って飛び出して、そこらを
見回りました。けれども、何もそこにはほえ立てるような怪しいものの、影も形も見えま....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
も雨戸が閉《し》め切ってある家の白い正面などが、見られた。年に一、二回、植木屋が
見回りに来て、家に風を通した。しかしその後で庭はまた自然のままになって、すべてが....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を覚《さ》ました。そばに夫の姿が見えないので、不安になって起き上がり、方々部屋を
見回り、階下《した》へ降りて行き、母家《おもや》と軒つづきの銀行の事務所へ行って....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
回してるのだった。森の中にクリストフがいることを聞いて捜し始めた。あらゆる茂みを
見回り、反響《こだま》を起こして呼ばわり、それから空《むな》しくもどりかけたが、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
やみ》におおわれていた。雨を交じえた冬の風は息をついては吹き荒《すさ》んでいた。
見回りの警官らは、戸口や路地や垣根や薄暗いすみずみなどを窺って、夜間にのさばり歩....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
陣を張り、悠々と機をうかがっていた。 或夜|正遠と定仏とをつれ、陣々をひそかに
見回りながら小高い丘の頂まで来た。 はるかの彼方に天王寺があって、その辺に敷い....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
す。暮れ六つになりますと、必ずかけることになって居りまして、昨夕方も、わたくしが
見回りまして、確かに見届けているのでございます」 「じゃア兄貴は?……」 不服....