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「見守る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見守るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
にく》その夜の母のように淡白な態度に出られなかった彼女は、今もただじっと妹の顔を見守るよりほかに仕かたはなかった。しかし辰子は不相変《あいかわらず》落ち着いた微....
或る女」より 著者:有島武郎
過去を持つらしい、妖艶《ようえん》な、若い葉子の一挙一動を、絶えず興味深くじっと見守るように見えた。 かの奇怪な心の動乱の一夜を過ごすと、その翌日から葉子はま....
或る女」より 著者:有島武郎
を見いだすのだった。二人《ふたり》の妹たちはただはらはらして姉の狂暴な振る舞いを見守るほかはなかった。倉地は愛子に刃物《はもの》などに注意しろといったりした。 ....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
生《めば》えだ。泣くにつけ、笑うにつけ、面白がるにつけ淋しがるにつけ、お前たちを見守る父の心は痛ましく傷つく。 然しこの悲しみがお前たちと私とにどれ程の強みで....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
る。 「なんで?」 Kはけげんそうにスケッチ帳から目を上げて君の顔をしげしげと見守る。 君の心の中には苦い灰汁のようなものがわき出て来るのだ。漁にこそ出ない....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は何といういい世界だろう。そこでは白昼に不思議な魔術が絶えず行われている。それを見守ることによって私は凡ての他の神秘を忘れようとさえする。私はこの賜物一つを持ち....
クララの出家」より 著者:有島武郎
ったと思うと、ほろほろと頬を伝って流れはじめた。彼女はそれでも真向にフランシスを見守る事をやめなかった。こうしてまたいくらかの時が過ぎた。クララはただ黙ったまま....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
れたのではなかったのか。 誰か知っているものがあるか、ありとすれば、それは万有を見守る 「彼」であるか、 天の高きに坐す――否恐らく「彼」ですら知らないであろ....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
た人造胃腸だったんです」 あまりに意外な帆村の言葉に、一同は唖然として彼の唇を見守るばかりだった。 「鴨田さんは三十日の午前十一時二十分頃、園長をひそかに人気....
蠅男」より 著者:海野十三
辺から匂ってくるのでしょう」 「さあ?」 と、消防手は首をかしげて、帆村の顔を見守るばかりだった。彼はどうやら、帆村の職業をそれと察したらしかった。 「風は昨....
恐竜島」より 著者:海野十三
ていた。 ケンは、いちばん奥のところへあぐらをかくと、 「ここでしばらく形勢を見守ることにしよう。とにかくここにもぐりこんで、おとなしくしていれば、恐竜に襲撃....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ので、わたしはまず家の真正面にある歩道のベンチに腰をかけて、しずかに不思議な窓を見守ると、彼女はたしかに夢の女であるが、わたしの方を見ていると思ったのは間違いで....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
だんだん判って来たでしょうが、あまり気にしないで呉れ給え」 私は良人が私をうち見守る眼差の中で、結婚して始めての嬌態を作って、こう云わないでは居られませんでし....
眠い町」より 著者:小川未明
る色なく、そのじいさんの方に歩いて近づきました。月の光で、よくそのじいさんの姿を見守ると、破れた洋服を着て、古くなったぼろぐつをはいていました。もうだいぶの年と....
牛女」より 著者:小川未明
女の姿が見えないのをいぶかしがって、 「子供が、もう町にいなくなったから、牛女は見守る必要がなくなったのだろう。」と、語り合いました。 その冬も、いつしか過ぎ....