見定める[語句情報] »
見定める
「見定める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見定めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
間《みけん》へ閃《ひらめ》いた。そのために血が眼へはいって、越中守は、相手の顔も
見定める事が出来ない。相手は、そこへつけこんで、たたみかけ、たたみかけ、幾太刀《....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、低声で気をつけたその大揺れの船が、この時、最早や見事な難船。 お妙はその状を
見定めると、何を穿いたか自分も知らずに、スッと格子を開けるが疾いか、身動ぎに端が....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ら、漁夫たちは見慣れた山々の頂をつなぎ合わせて、港のありかをそれとおぼろげながら
見定める。そこには妻や母や娘らが、寒い浜風に吹きさらされながら、うわさとりどりに....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
か一道の光がさしこんでいて、しばらくすると二人の目がやみになれて、室内をどうやら
見定めることができるようになった。 このだだっぴろい地下室には、なんにも残って....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
て、もし誰かが千早館を出入りするようだったら、それはどこから出入りするのか、よく
見定めるのです。……しかしこの仕事は退屈ですよ。まず三十分交替としましょう。始め....
「地球要塞」より 著者:海野十三
局、米連艦隊のために、浮沈用の水槽を破壊されていることが分った。 私は、それを
見定めると、三角暗礁へ急行した。 三角暗礁には、こんなときの用意にもと、鋼板《....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
」 帆村は、狙った「魔の空間」が、音響砲の砲撃のため、故障になって墜落するのを
見定めると、全員を急がせて、その落下の場所へ移動を命じた。あと僅か一|粁ばかりの....
「火星兵団」より 著者:海野十三
いていた。懐中電灯をつけて、その階段の下の方を照らして見たが、光がよわくて、よく
見定めることが出来なかったが、とにかく階段は、かなりはるか下までつづいているよう....
「流線間諜」より 著者:海野十三
きなセメント樽のようなものの中に入っていたことが分ってきたのである。 よく目を
見定めると、そのセメント樽のようなものが、その外いくつも並んでいた。まるで工場の....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
いらしきりに前後を※した、……私は書割の山の陰に潜んでいたろう。 誰も居ないと
見定めると、直ぐに、娘をわきへ推遣って、手代が自分で、爺様の肩を敲き出した。 ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
差出したのを、お兼は何条|見免すべき。 はじめは怪み、中は驚いて、果はその顔を
見定めると、幼立に覚えのある、裏長屋の悪戯小憎、かつてその黒い目で睨んでおいた少....
「五色蟹」より 著者:岡本綺堂
白な女の首がぼんやりと浮いてみえた。今頃はいっている人があるのかと思いながらよく
見定めると、それは児島亀江の顔に相違ないので、僕も少し躊躇したが、もう素っぱだか....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
いそうな、この不意撃ちにかれらも慌てた。相手は暗い中に忍んでいるので、どこの誰と
見定める便宜もないが、それがかの怪しい異国の男の仕業であるらしいことは誰にも想像....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
その子の運五郎とが鋳たんだよ。」 波頭、雲の層、累る蓮華か、象徴った台座の巌を
見定める隙もなしに、声とともに羽織の襟を払って、ずかと銅像の足の爪を、烏の嘴のご....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
他人の特長がある。自分の特長は他人とくらべてどういうところにあるか、それを自覚し
見定めることの確実さ、不確実さによってその人の一生には無駄がなく、随って有意義に....