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見巡
「見巡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見巡の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
なって立っていた工手が、始めて口を切った。 「あれからひときりついて、浅川さんが
見巡りに出られますと、私は器具置場までコテを置きに行きましたが、その間にこんなこ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
しもう一度|執拗に夫人へ反撃を密謀した。まだ五六日この古都に滞在して春のゆく方を
見巡って帰るという夫妻を手料理の昼食に招いた。自分の作品を無雑作に味と片付けてし....
「競漕」より 著者:久米正雄
目印の黒マントルがはっきり鏡底に映じた。彼ははっと思って蘆の間に身を潜め、四辺を
見巡して微笑んだ。ここに敵の一人が見ているとも知らず、そのうち彼らは動き出した。....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
は腱あらはに痩せたるが好し。
そはシャンミイと云ふ獣のごと、
山々の巓を興がりて
見巡らんためなり。
さて自由の風に心|霽して、
かの烟|罩め靄鎖せる谷間深く棲み....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
る道遠しと意馬に鞭打ち励ましつ、漸く東海道の名刹古社に神像木仏|梁欄間の彫りまで
見巡りて鎌倉東京日光も見たり、是より最後の楽は奈良じゃと急ぎ登り行く碓氷峠の冬|....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
うのは禁錮の事ですが、權六|些とも遠慮をしません、相変らず夜々のそ/\出てお庭を
見巡って居りますので、今權六が屈んで見て居りますと、犬がグック/\と苦しみ、ウー....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
だんだん世の中が贅沢になって困ると云い云いコップを手にした。午後の散歩には農園を
見巡る事もあった。豚とその習性に興味があった。夏は散歩の代りにローンテニスもやっ....
「正宗谷崎両氏の批評に答う」より 著者:永井荷風
くしが浮世絵を見て始て芸術的感動に打たれたのは亜米利加《アメリカ》諸市の美術館を
見巡《みまわ》っていた時である。さればわたくしの江戸趣味は米国好事家の後塵《こう....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
、別に恥《は》ずかしい事をした覚えはないんだから、立ち上がりながら、部屋中一通り
見巡《みま》わしてやった。みんなが驚《おど》ろいてるなかに野だだけは面白そうに笑....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
はおらぬかと、折々心を痛《いた》めることがある。それゆえ友人に頼み、ついでの時に
見巡《みまわ》ってもらったが、彼が墓所へ行ったつど、報告してくれるに、いつでもい....