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見廻り
「見廻り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見廻りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
用心が悪い、と人々がいうので神社の世話役をしていた笠井は、おどかしつけるつもりで
見廻りに来たのだった。彼れは固《もと》より樫《かし》の棒位の身じたくはしていたが....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
入りこんでいたのである。昨夜はたしか各室――というほどのものでもないが、ちゃんと
見廻り、人気のないのを見定めた上、床についたのだったが……。 「おや、もう目が覚....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
その引戸が閉まると同時に、女房は何故か一抹の疑心を感じて、念のため女湯の方を
見廻りたいと思った。が、その時、男湯の方から主人の声が聴こえて来た。 「おい、早....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
しいものだ。 ◯うちの便所灯がつけ放しで、裏の田中さんから注意を二回受ける。私の
見廻りもよくないわけで、これからは、警報発令とともに消してまわることにした(電球....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
な形をこしらえて喜んでいた。 この弾丸をほることは一つの冒険だった。時々衛兵が
見廻りに来た。衛兵でない兵隊もよくそこを通った。で、普通は、夜暗くなってからでな....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
か、龍虎隊だとかいうのが乱妨をして、市中を荒らしたので、難儀の趣を訴えて、昼夜の
見廻りが出来、その大取締が庄内の酒井左右衛門尉で、今の警視総監という処なのです。....
「火星兵団」より 著者:海野十三
械をあけ、中から巻紙をひっぱって、それを見るのに夢中になっている。
「博士。よく
見廻りましたが、もうお屋敷のうちには、誰もいませんですから御安心なさいませ」
....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
しい人物が二三人うろついていたという話ですよ。それで班長さんはじめ総がかりでいま
見廻り中なんです。気味がわるいじゃありませんか」 老人は首をぶるぶる慄わせてい....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
上言うたが、着物は既に浴衣に着換えて、燭台の傍へ……こりゃな、仁右衛門や私が時々
見廻りに行く時、皆閉切ってあって、昼でも暗えから要害に置いてあった。……先に案内....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
を、家主の袖に差寄せながら、 「帽子をお被んなさいましッて、お母さんが。……裏へ
見廻りにいらしったかと思ったんです。」 と、見迎えて一足|退いて、亜鉛塀に背の....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
「お待ちなされませ、もしや人が立聞きにでも参りはしませぬか」 滝之助は念の為め
見廻りに梯子を昇って外に出ようとした。 「ハテ、夜中にこの林間の一つ家、誰が来よ....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
、夜更けてから又離れ座敷へ、忘れ物を取りになど拵えて、金三郎が一人か否か、それを
見廻りにと出掛けもした。尼の嫉妬はその時代として前代未聞、宿の者もまた興を覚して....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
で、それは酒井家の領地巡検使という役目を初めて承わり、飛地の伊豆は田方郡の諸村を
見廻りの初旅というわけで、江戸からは若党一人と中間二人とを供に連れて来たのだが、....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
するとヘルメット帽などを頂き、繻子の大洋傘をついて山野を渡る。土木の小官吏、山林
見廻りの役人か、何省お傭の技師という風采で、お役人あつかいには苦笑するまでも、技....
「活人形」より 著者:泉鏡花
なことはどうでも可い。どこへ遁したか、それを言えッてんだ。「つい今の前も北の台へ
見廻りに参りましたら、下枝様は平常の通り、牢の内に僵れていましたのに、にわかに居....