»
見張
「見張〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見張の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
秋の午後、イカバッドは、もの思いにふけりながら、いつも彼が教室のなかのできごとを
見張るときに腰かける高い椅子に王様のようにどっかと坐りこんでいた。その手に彼は専....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
なりますと、そのまま、御厩《おうまや》の柱にくくりつけて、雑色《ぞうしき》たちに
見張りを御云いつけなさいましたが、翌朝は※々《そうそう》あの老爺《おやじ》を、朝....
「百合」より 著者:芥川竜之介
先へ両手の人さし指を揃《そろ》えて見せた。
「二本芽のね?」
良平は思わず目を
見張った。一つの根から芽の二本出た、その二本芽の百合と云うやつは容易に見つからな....
「路上」より 著者:芥川竜之介
えの》へ御集りになったようでございました。」
老人は目脂《めやに》だらけの眼を
見張って、囁くようにこう云った。が、新田はその答には頓着《とんちゃく》する気色《....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
で、悪魔外道の類は絶対に入ることはできぬ。又たとえ何事が起っても、神の眼はいつも
見張っているから、少しも不安を感ずるには及ばぬ……。すべて修行場は人によりてめい....
「或る女」より 著者:有島武郎
くびをしばらくなで回していたが、脈所《みゃくどころ》に探りあてると急に驚いて目を
見張った。
「どうしたんです、え、ひどく不規則じゃありませんか……痛むのは頭ばか....
「或る女」より 著者:有島武郎
らをかいている途方もなく大きな男を姉のほかに見つけたので、驚いたように大きな目を
見張ったが、そのまますぐに玄関に取って返した。
「愛ねえさんお客様よ」
と声を....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
い音響が君の神経をわななかしたからだ。 ぎょっと驚いて今さらのように大きく目を
見張った君の前には平地から突然下方に折れ曲がった崖の縁が、地球の傷口のように底深....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は、かかる神秘は神秘でありながらあたり前の事実だ。私は小児のように常に驚異の眼を
見張っていることは出来なくなった。その現実的な、散文的な私にも、愛の働きのみは近....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
《とむね》を突いて浮んだ。彼れはその考に自分ながら驚いたように呆《あき》れて眼を
見張っていたが、やがて大声を立てて頑童《がんどう》の如《ごと》く泣きおめき始めた....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
になって行った。突然華やいだ放胆な歌声が耳に入った。クララは首をあげて好奇の眼を
見張った。両肱は自分の部屋の窓枠に、両膝は使いなれた樫の長椅子の上に乗っていた。....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
んなことのできるはずがない。彼が、突然地面の上に現われ出た瓶の山と乳の海とに眼を
見張った瞬間に、道の向こう側の人垣を作ってわめき合っていた子供たちの群れは、一人....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
んなところに偶々シメジと呼ぶ白い茸が早く簇生していることがあるので、注意深い眼を
見張って桜の幹に片手をかけつつ、くるりと向うへ繞って行く粂吉を見ることがある。私....
「橋」より 著者:池谷信三郎
イル・シ※ークのように攪き廻された。彼は何をしでかすか解らない自分に、監視の眼を
見張りだした。 川沿いの並木道が長く続いていた。二人の別れる橋の灯が、遠く靄の....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
に逢い、鰓洗う声の、暗中に発する毎に、胸を刺さるる如き思いを為し、口食ひしめ、眼
見張りて、両手は殆んど水に漬け続けなり。 ただ、根競べにて、勝を制せんと思うも....