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「見所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あいびき」より 著者:ツルゲーネフイワン
を描いて、左右に別れていた。顔の他の部分は日に焼けてはいたが、薄皮だけにかえって見所があった。眼《まな》ざしは分らなかッた、――始終下目のみ使っていたからで、シ....
縮図」より 著者:徳田秋声
できることだったら、してあげたらどうだろう。なるほど晴子という女は、芸者にしては見所がある、心掛けのいい奴だと、あの人が感心するようだったら、そこは若ーさんも肚....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
い……このヒョロヒョロ弁慶……ヒョロヒョロ弁慶……」 と罵倒する大声が、舞台、見所は勿論、近隣までも響き渡ったので、観衆は皆眼を丸くして顔を見合わせていた。 ....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
ると娘がお父さま実は孝助殿の男振にも姿にも惚れたのではございません、外に唯一つの見所がありますからと斯ういいますから、何処に見所があると聞きますと、あのお忠義が....
風流仏」より 著者:幸田露伴
ば其任|愈重く、必死に勤めけるが仕合に弾丸をも受けず皆々|凱陣の暁、其方器量学問見所あり、何某大使に従って外国に行き何々の制度|能々取調べ帰朝せば重く挙用らるべ....
木犀の香」より 著者:薄田泣菫
はぢぢむさく、古めかしい、金紙銀紙の細かくきざんだのを枝に塗りつけたやうな、何の見所もない花で、言はばその高い香気をくゆらせるための、質素な香炉に過ぎないのだ。....
黒百合」より 著者:泉鏡花
の時から八年有余、教育も先方で受けた、その知識と経験とをもて、何等かこの貴公子に見所があったのであろう、滝太郎といえばかねてより。…… 六 「よく....
高原」より 著者:寺田寅彦
よりも更に遥かに高貴な相貌風格を具備した花である。 スカンボの花などもさっぱり見所のないもののように思っていたが、顕微鏡で見るとこれも実に堂々たる傑作品である....
少年の死」より 著者:豊島与志雄
だが、大抵の者あ怪我の一二度はするものさ。……兎に角|大留《だいとめ》さんは多少見所がありそうだから年季に上げたらどうだというんだ。それにお主婦《かみ》さんが中....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
はもう悪くなるという風だが、笠神博士は自分の悪口をいうような人間でも、学問の上で見所があれば、どこまでも親切に面倒を見る。交際えば交際うほど、親しくすればするほ....
柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
万、しかし食うための商売とあれば、強いて咎めるにもあたるまい。……とまれお前には見所がある。志があったら訪ねて来い。少し手を執って教えてやろう」 老人はスッと....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
姿形に惚れたのではない、唯た一つ娘の見込があります、只た一つ臍から二寸ばかり下に見所があるのサ」 久「へい、お嬢様は何処のお湯に入っしゃいます」 杢「なアに心に....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
ざいますが、文麻呂様が夢中になるのももっともなほど、身分に似合わず、素直で、仲々見所のある娘でございます。ところが、その娘に、旦那様、人もあろうにあの大伴の大納....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
を許して航海の列に加わるを得たり。航海中より彼地に至りて滞在僅々数箇月なるも、所見所聞一として新ならざるはなし。多年来西洋の書を読み理を講じて多少に得たるところ....
いなせな縞の初鰹」より 著者:北大路魯山人
おは鎌倉|小坪(漁師町)の浜に、小舟からわずかばかり揚がるそれを第一とする。その見所は、今人と昔人と一致している。鎌倉小坪のかつお、これは大東京などと、いかに威....