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「見知る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見知るの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの道」より 著者:有島武郎
代表的傑作として、ハムレットを捕えたシェクスピアは、人の心の裏表《うらおもて》を見知る詩人としての資格を立派に成就した人である。 一三 ハムレットには理智....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
人智人巧唯我唯利の風が日々農村人心の分解を促しつゝあるのだ。少しでも農村の実情を見知る者は、前途を懸念せずには居られぬ。 (三)雨後 三月七....
光と風と夢」より 著者:中島敦
ふと、牛の鳴声を聞きつける。確かに私の所有する牛には違いないが、先方では所有主を見知るまいから、頗《すこぶ》る危険だ。立停り、様子をうかがって、巧《うま》くやり....
或る精神異常者」より 著者:田中早苗
座席にすわった。彼はけっして、この座席を変えなかったので、座方の方でもじきに彼を見知るようになった。が、座方の連中は、高い料金をだして毎晩根気よく同じ曲乗りを見....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の、ここを根拠として、これから名古屋城下を隈《くま》なく、私がたずねます。万一、見知る者があってはと存じ、面《かお》を少々|灼《や》くことに致しました」 梶川....
美しい村」より 著者:堀辰雄
あわ》れに感じさせた。――そうして、その悲しげな跛の花売りを、私は自分自身の眼で見知るや否《いな》や、彼女がその姿を絵に描いてみたいと言っていただけでもって、そ....
源氏物語」より 著者:紫式部
たちだけのお仕えしている場所だと聞いていて、そうした上の女房たちの顔をこのごろ皆見知るようになってから考えても、浮舟の姫君ほどの美貌の人はないようであった。 ....
女難」より 著者:国木田独歩
春、銀座街頭に見たるその盲人ならんとは。されど盲人なる彼れの盲目ならずとも自分を見知るべくもあらず、しばらく自分の方を向いていたが、やがてまた吹き初めた。指端を....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
で自分を護って蔵れています。 そう云う所を賢者は油断なく探っています。 昼間物を見知るのは笑談ですが、 深秘は闇黒を家にしていますからね。 帝 そんな闇....