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「見落〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見落の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
と書いたチンダルの先見は的中した。しかし、チンダルはファラデーの最大の発見を一つ見落しておったしておったものである。もしチンダルにその学説の価値が充分に理解でき....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
ずに退屈を極めていた。彼は無風帯を横ぎる帆船《はんせん》のように、動詞のテンスを見落したり関係代名詞を間違えたり、行き悩《なや》み行き悩み進んで行った。 その....
路上」より 著者:芥川竜之介
ら出かけて行くのか。」 野村は相手の眉《まゆ》の間にある、思い切りの悪い表情を見落さなかった。 「いや、向うからここへ来て貰おう。第一その方が道順《みちじゅん....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ましょう。わざわざ査べるのが目的で、行った仕事ではないのですから、むろんいろいろ見落しはございましょう。その点は充分お含みを願って置きます。機会がありましたら、....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
。海の中から生まれて来たような老漁夫の、皺にたたまれた鋭い眼は、雲一片の徴をさえ見落とすまいと注意しながら、顔には木彫のような深い落ち付きを見せている。君の兄上....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
か。そして智的生活を一歩踏み出したところに、更に緊張した純真な生活が伏在するのを見落すようなことはないか。若しそうした態度にあるならば、それはゆゆしき誤謬といわ....
星座」より 著者:有島武郎
から遠ざかったような心安さで、一町にあまる広々とした防火道路を見渡した。いつでも見落すことのできないのは、北二条と大通りとの交叉点《こうさてん》にただ一本立つエ....
卑怯者」より 著者:有島武郎
その前後二、三分の間にまくし上がった騒ぎの一伍一什《いちぶしじゅう》を彼は一つも見落とさずに観察していたわけではなかったけれども、立ち停《どま》った瞬間からすぐ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、去年の七月から静岡の民友新聞と云うのを取りましてね、朝起きると直ぐ覗いて、もう見落しはしなかろうか、と隙さえあれば、広告まで読みますんですが、ちっとも早瀬さん....
映画と民族性」より 著者:伊丹万作
は易々と国外に進出するという楽観論は、芸術に国際性のみを認めて民族性のあることを見落したずさんな議論であつてまだ思考が浅いのである。 いま、日本の政治は何より....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
始おのれを客観的な位置にばかり据えていたのではいかに熱心に看視していてもどこかに見落しや、俳優に対する理解の行きとどかない点が残ってくるものである。しかもこれは....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
係しないが、考証好きの馬琴が代る代るに犬士をこの地方に遍歴らさして置いて江戸城を見落さしたのを不思議に思う。 前にもいったが、『八犬伝』の中心舞台は安房よりも....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
てて、この盛大なる見送りの人々をじっと眺めていた。顔、顔! 数百数千の顔を一人も見落すまいと! 鉄桁の間、起重機の上、各甲板、共楽街の屋根、アパートの窓――ど....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
出ようとして、彼が、掲示板の中に、パリ銀行のロンドンに移転してきた告知ポスターを見落したとしたら、彼の上には、もっと深刻なるものが降ってきたことであろう。幸いに....
怪星ガン」より 著者:海野十三
したまちがいはないだろう」 さすがは名探偵だ。 爆発がどの場所に起こったかを見落としはしなかった。そして爆発の場所から考えて、それは自爆でなく、他人の陰謀に....