見落し[語句情報] »
見落し
「見落し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見落しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
ずに退屈を極めていた。彼は無風帯を横ぎる帆船《はんせん》のように、動詞のテンスを
見落したり関係代名詞を間違えたり、行き悩《なや》み行き悩み進んで行った。
その....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、去年の七月から静岡の民友新聞と云うのを取りましてね、朝起きると直ぐ覗いて、もう
見落しはしなかろうか、と隙さえあれば、広告まで読みますんですが、ちっとも早瀬さん....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
始おのれを客観的な位置にばかり据えていたのではいかに熱心に看視していてもどこかに
見落しや、俳優に対する理解の行きとどかない点が残ってくるものである。しかもこれは....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
探偵の凡人でないのを了解することが出来ました。 「尾形さん。貴方は、大変な事実を
見落していなさるよ」赤星探偵は椅子に腰を下したまま、すこし緊張に顔を赤らめてそう....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
、第五には……」 「もう、そのへんでよいです」 「いや、大事な証拠をあなたがたが
見落して行かれてはならぬ。第五は、この青年がこのとおり軒下ながら、下に藁蒲団を敷....
「恐竜島」より 著者:海野十三
調べてみようじゃないか」 長い沈黙の後で、ケンが元気よく云った。 「ラウダ君の
見落した処もあろうし、また僕たちの新しい発見に期待してよいだろう」 「ケン、いい....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
の大きな唇は微苦笑を浮べてひん曲った。 「帆村さん。検事からのお指図です。わしの
見落しているものを教えて頂きましょうか」 「はあ。それでは警部さん。どうぞこちら....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
返事をした。しかし帆村は、長老がひそかに廻廊の柱に手をかけて、ちょっと押したのを
見落しはしなかった。 (へんなことをしたぞ。とたんに照明がかわったところを見ると....
「地球要塞」より 著者:海野十三
く私は、本当に発狂してしまったのかもしれない。 だが、私は、一つの大きなことを
見落していたのである。この不可思議な現象を解く鍵が、まだ一つ、残っていたことを!....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
出ようとして、彼が、掲示板の中に、パリ銀行のロンドンに移転してきた告知ポスターを
見落したとしたら、彼の上には、もっと深刻なるものが降ってきたことであろう。幸いに....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
ころがなかったので、それでこんな小さなものに気がついたわけでした。 これを若し
見落していたならば、この怪事件の真相は、或いはいまだに解けていなかったかも知れま....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ましょう。わざわざ査べるのが目的で、行った仕事ではないのですから、むろんいろいろ
見落しはございましょう。その点は充分お含みを願って置きます。機会がありましたら、....
「人造物語」より 著者:海野十三
とだから、この位にして置こう。 その次に、人造人間として、「人形」というものを
見落してはならない。 * * これは、我が国では、埴輪人形の昔よ....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
は易々と国外に進出するという楽観論は、芸術に国際性のみを認めて民族性のあることを
見落したずさんな議論であつてまだ思考が浅いのである。 いま、日本の政治は何より....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
と書いたチンダルの先見は的中した。しかし、チンダルはファラデーの最大の発見を一つ
見落しておったしておったものである。もしチンダルにその学説の価値が充分に理解でき....