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「見込〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見込の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
土蔵造《どぞうづく》りの家《うち》へ大きい画集などを預けることにした。が、前借の見込みも絶え、父母兄弟とも喧嘩《けんか》をした今は、――いや、今はそれどころでは....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
わざわざ医者を茶の間へ呼んで、「先生、一体この患者《かんじゃ》はいつ頃まで持つ御見込みなんでしょう? もし長く持つようでしたら、私はお暇を頂きたいんですが。」と....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
人なんでございます。」と、口惜しそうに答えたそうです。「それ見給え。やっぱり僕の見込んだ通りじゃないか。」――こう云って泰さんは、得意らしく新蔵の方を見返りまし....
或る女」より 著者:有島武郎
がら部屋のすみに退《さが》って行った。倉地はすぐ近寄って来た。葉子は猫《ねこ》に見込まれたカナリヤのように身もだえしながら部屋の中を逃げにかかったが、事務長は手....
或る女」より 著者:有島武郎
人《ふたり》だけが座に落ち付くと岡は涙ぐましいような顔をしてじっと手あぶりの中を見込んでいた。葉子の思いなしかその顔にも少しやつれが見えるようだった。普通の男な....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
か豊作とか饑饉《ききん》とか、すべてある偶然の出来事の発生するでなければ振興する見込のない一般経済界の状態は何を語るか。財産とともに道徳心をも失った貧民と売淫婦....
親子」より 著者:有島武郎
思わず父の顔を見た。泣き笑いと怒りと入れ交ったような口惜しげな父の眼も烈しく彼を見込んでいた。そして極度の侮蔑をもって彼から矢部の方に向きなおると、 「あなたひ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
のである。何か一つの企てをある決まった日に遂行しようという場合ならば、その成功の見込についてあらかじめ教えを受けることができた。もしこのカルデアの僧侶についてよ....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
捧げることは、昭和時代の成金の名誉であり、誇りでなければならぬ。 成功の確実な見込がついた発明は、これを国家の研究機関で総合的学術の力によって速やかに工業化す....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
いったような剣幕で、二円も三円もとの云価を二十銭三十銭にも附けられないという処を見込んだ悪商人が多く「アラボシ」にあった。今夜店の植木屋などの、法外な事をいうの....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
でた、薄茶を出した、あの影法師の妾だろう。 ものを言う清い、張のある目を上から見込んで、構うものか、行きがけだ。 (可愛い人だな、おい、殺されても死んでも、人....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
私が三浦家への嫁入りにつきましては別に深い仔細はございませぬ。良人は私の父が見込んだのでございます。『たのもしい人物じゃ。あれより外にそちが良人と冊くべきも....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
くのみである。地上の人類が、現在の如き非合理的法律を墨守して居る限り、先ず改善の見込は絶無であろう。 問『無邪気な小児は、死後直ちに上界に進むか?』 貴重なる....
活人形」より 著者:泉鏡花
人の呼吸を吹返さんとする間際には、秘密を唸り出す事もやあらんと待構うれば、医師の見込みは過たず、ややありて死骸は少しずつの呼吸を始め、やがて幽に眼を開き、糸より....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
義の政府は、われらの軍費を鵜呑みにしてもこれに基づく経済力の建設は到底、企図する見込みがないところから、軍事予算は通過しても戦備はできない。考え抜いた結果、何と....