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見送り
「見送り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見送りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
って次の言葉をつけ加えました。
「しかしもう消し止めました。」
ゲエルは給仕を
見送りながら、泣き笑いに近い表情をしました。僕はこういう顔を見ると、いつかこの硝....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
何度もあの愛嬌《あいきょう》の好い譚永年の顔を思い出した。が、譚は何の為か、僕の
見送りには立たなかった。
※江丸の長沙を発したのは確か七時か七時半だった。僕は....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
んな用があっても、決して停車場へは行った事がない。君が朝鮮へ立つ時にも、あいつが
見送りに来なかったのは、やはり赤帽が怖《こわ》かったのだそうだ。
その三月の幾....
「路上」より 著者:芥川竜之介
られなかった。
二十
プラットフォオムの上には例のごとく、
見送りの人影が群《むらが》っていた。そうしてそれが絶えず蠢《うごめ》いている上に....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
嬉しくもねえな。――」
堀尾一等卒は狡猾《こうかつ》そうに、将軍の跡《あと》を
見送りながら、田口一等卒へ目交《めくば》せをした。
「え、おい。あんな爺《じい》....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
、すぎ去ってしまうかもしれない。
君が横浜を出帆した日、銅鑼《どら》が鳴って、
見送りに来た連中が、皆、梯子《はしご》伝いに、船から波止場《はとば》へおりると、....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
しかし夫は何《なん》とも言わずにさっさと会社へ出て行ってしまった。たね子は夫を
見送りながら、ちょっと憂鬱《ゆううつ》にならずにはいられなかった。それは彼女の体....
「或る女」より 著者:有島武郎
ら、それでもおめおめと切符に孔《あな》を入れた。
プラットフォームでは、駅員も
見送り人も、立っている限りの人々は二人《ふたり》のほうに目を向けていた。それを全....
「或る女」より 著者:有島武郎
てながら、夕闇《ゆうやみ》の催した杉森《すぎもり》の下道のほうへと消えて行った。
見送りに立たなかった倉地が座敷のほうでひとり言のようにだれに向かってともなく「ば....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
で、それをぎゅっと歯でかみしめながら、その男がどんどん沖の方に遠ざかって行くのを
見送りました。私の足がどんな所に立っているのだか、寒いのだか、暑いのだか、すこし....
「親子」より 著者:有島武郎
同時に淋しい感激が彼の眼に涙をしぼり出そうとした。 厠に立った父の老いた後姿を
見送りながら彼も立ち上がった。縁側に出て雨戸から外を眺めた。北海道の山の奥の夜は....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
に一人も乗客はいなかった。外を覗くと、うす暗いプラットフォオムにも、今日は珍しく
見送りの人影さえ跡を絶って、唯、檻に入れられた小犬が一匹、時々悲しそうに、吠え立....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
穂垂の息子が東京へエライ者になりに行くぞ目出とう送りてやれよとて、親族よりの餞別
見送り、父はそれらに勇みを付けて笑いを作りて居られたれど、母はおろおろとして、「....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
大学政治経済部葬になった市村今朝蔵氏が英国で勉強する為に――洋行するので、横浜に
見送りに行っていて、発会式の時のことを知らなかった。帰って来ると、学生が訪ねて来....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
に僕等にも抒情詩めいた心持ちを起させるものは少ないかも知れない。僕はこの五大力を
見送りながら――そのまた五大力の上にいる四、五歳の男の子を
見送りながら、幾分かか....