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見透かす
「見透かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見透かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
も、今つけてきた怪しのさるまわしが気になったものでしたから、急いでやみの向こうを
見透かすと、あっ! おもわず声をあげてせき込みながら、ご番士たちに尋ねました。 ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
して……病人でもありそうな様子だったもんだから。」 と言って、その明を俯向いて
見透かす、民弥の顔にまた陰気な影が映した。 「でもね、当りましたわ、先生、やっぱ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
には例の西郷桐野篠原の画像が掲げられてあった。 男湯と女湯とのあいだは硝子戸で
見透かすことが出来た。これを禁止されたのはやはり十八、九年の頃であろう。今も昔も....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
乾びた声の大音で、 「何を売るや。」 「美しい衣服だがのう。」 「何?」 暗を
見透かすようにすると、ものの静かさ、松の香が芬とする。 六 鼠色....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
「ちょいと。」 「そんなら行け。だが島野、」と言いながら紳士の顔を、皮の下まで
見透かすごとくじろりと見遣って、多磨太はにやり。 擽られるのを耐えるごとく、極....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
。 実際お関は平気らしく見えた。 少くとも彼女の周囲の者の目は内心の争闘まで
見透かす事は出来ない事であった。 お関は平気で居る重三――我が子を見た。 冷....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
や一つの庭ではなくて、一つの巨大なる藪《やぶ》であった、換言すれば、森林のごとく
見透かすことができず、都市のごとく多くのものが住み、巣のごとく震え、大会堂のごと....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ヌーと光をよじってきて、かれの行く手をふさいでしまった。アッ――と欄干を楯にして
見透かすと、左の片腕を繃帯して、白布で首に吊り下げている。これ、天堂一角であった....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
ういえば昨日でも…… 「いゝさ、まァ。――どうせいつか分るこった。」三浦はそれを
見透かすように冷かに「お主のようなふところ子はいざというときまで知らねえ面でいれ....