視点[語句情報] » 視点

「視点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

視点の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
だと思われるのは、この円く空いているところが、岩の面のせまい出っ張り以外のどんな視点からも見られない、という事実だね。(幾度もやってみて、それが事実だということ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
この点に目をつけなくてはあの芝居は見ても面白くあるまい。また作者としてもその他の視点からの種々なる批評は私の心持ちと適うことはできない。ことにあの作は私が二十六....
イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
場概念の批判として必要なる分析に限る―― 理論と呼んでいる。 * 理論は一定の視点に従って日常的な理論とそうではない理論とに区別される。夫々のものの一例として....
最近日本の科学論」より 著者:戸坂潤
ある。 実際ここには欠落した問題の環があるのである。と云うのは、終局の統一的な視点は別としても、前に云ったように、さし当り例えば、アカデミーの機能とジャーナリ....
掠奪せられたる男」より 著者:豊島与志雄
の客が居たので、彼女は何とも云わなかった。 山田にとっては、もはや秀子を眺むる視点はその顔と唇とではなかった。今はその指先と耳朶《みみ》とであった。 一人で....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
異を与えてくれるもの、情意を或る方向へ向けさしてくれるもの、云い換えれば、一定の視点を与えてくれるもの、それを欲しがっていたのである。そして彼は、変な風に落ちか....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
方で語られるのを彼は聞いた。彼は不思議な境地を瞥見《べっけん》した。そして適当な視点に置いてそれらを見なかったので、何だか渾沌界《こんとんかい》を見るような心地....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
であらゆる意味に考えまわしてみた。と突然、馬車は並木道から街道へ出て、のぞき穴の視点を変えた。ノートル・ダームの塔が、パリの靄《もや》の中になかば隠れて青い姿で....
愛の問題(夫婦愛)」より 著者:倉田百三
は国家と男性との義務でなくてはならぬ。 最後にこの天理の自然、生命の法則という視点から、最初に立ちかえって、夫婦生活というものには無理が含まれていることも、英....
学生と教養」より 著者:倉田百三
できないということは実に人性の構造の神秘というほかはない。 六 種々の視点への交感 教養としての倫理学研究は必ずしも一つの立場からの解決を必要としな....
物理的空間の成立まで」より 著者:戸坂潤
り、空間的形像はただその形式に外ならない」。「この区別はただ吾々の主観即ち観察の視点にあるものに過ぎない、空間そのものはあくまで区分出来ない一者である」(L. ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
、指が動かなくなった。だが、眼を細く開けた。然し、もう、瞳は濁ってしまっていて、視点が乱れ、力も、光も無くなっていた。 今まで、兇猛な獣の眼のように光った眼で....
うつす」より 著者:中井正一
すでに構成されている。眼球ではそれが水晶体によってされることによって複雑化されて視点がまぎれやすい。機械は常に機能の拡大であり、それはその構造の内面機構の単純化....
花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
の意図どおりの狂人の顔が出来たのである。 狂人の眸には不思議な光があって、その視点がいつも空虚に向けられているということが特徴であるようだが、その視線は、やは....
再び「科学の歴史的社会的制約」に就いて」より 著者:戸坂潤
とすべきか、が問題であった。 次に現段階とは、歴史的社会的存在の総体が、様々な視点の下に、何等かのエポックに区切られる時、二つのエポックの間に見出される同一条....