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覗き眼鏡
「覗き眼鏡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
覗き眼鏡の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鰊漁場」より 著者:島木健作
が卵を産みつけに群来るところだ。すじめ、ざらめ、うがのもく等の馬尾藻科の海草が、
覗き眼鏡の底に鬱蒼として林のごとく繁茂して、大きな波のうねりのごとにゆらゆらとゆ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
なのは、いまは午前二時半を過ぎて、外面は真の闇に包まれている筈なのに、この複雑な
覗き眼鏡のような器械でみると、まるで真昼のように明るく見えるのであった。 「ああ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
視机や、遠距離|制御器などが並んで、一番右によった一角には、真黒な紙を貼りつけた
覗き眼鏡のような丸い窓が上下左右に、三十ほども並んで居たが、これはテレヴィジョン....
「蠅男」より 著者:海野十三
と、係りの男は活動函を元のように締めて立ち上ったところだった。彼は函の前に廻って
覗き眼鏡のすぐ傍に挿しこんであった白い細長い紙を外しに懸った。それは函の中の一銭....
「その年」より 著者:宮本百合子
ない落胆が響いた。地図というものを知らないわけではなかったが、瞬間何か色の見える
覗き眼鏡にでも向うような弾んだ気になったので、ただマルだけがぽつんとついているそ....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
頭部と腰が痲※するような心持がした。グラグラとして真黒になった心の前で、ちょうど
覗き眼鏡の種紙が、カタリといってかえる通りに、今まで自分の前一杯にあった、幅の広....
「ヴォルフの世界」より 著者:宮本百合子
入れのようなことでもしているらしい年寄の男の写真である。時計屋が使うような片目の
覗き眼鏡にぴったり顔をおっつけ、右手でその眼鏡の下のものをいじっているところだが....
「泣虫小僧」より 著者:林芙美子
いて、空へ持ちあげると雲が写っている。啓吉には素晴らしい硝子の壺だ。啓吉はそれを
覗き眼鏡にして、拡ろがった空を見ながら、 「ねえ、空はどうしてあんなに青いの?」....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
そって、力持、怪動物、毛だらけの女、めりい・ごう・らうんど、人体内器のつくり物、
覗き眼鏡、手相判断、拳闘仕合、尻ふりダンス「モンマルトルの一夜」、蛙男、早取写真....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
って、その点々に、眼に見えないほどの小さな穴が開いている。そこへ外側から一つずつ
覗き眼鏡みたいなものが取りつけてあるから、マアセルの有する全部は各人の鼻っ先だ。....