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覗き見
「覗き見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
覗き見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
の部屋に引返した。そして見えない敵に身構えるように壁によりそって、そっと窓の外を
覗き見た。 窓の下の雪の上には、果して私の予期したものがみつかった。明らかにそ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
わりを抜き足差し足でうろうろとしながら、何を探そうというのか、しきりと中の容子を
覗き見している気勢でした。その上に足ごしらえも穏かでない、普通に鳥刺しの服装と言....
「姥捨」より 著者:太宰治
、五間以上も遠くへ引き離された。かず枝は、背がひくいから、お客の垣の間から舞台を
覗き見するのに大苦心の態であった。田舎くさい小女に見えた。嘉七も、客にもまれなが....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
れから覗くと、六十有余歳の老人と十二三に成る小僧と二人にてのひそ/\話、幸三郎も
覗き見て、 幸「はて変だな」 と怪しみました。さて是から奧木佐十郎が茂木佐平次....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
室ではない。この室の、しかも間近である。 そうして、お悦の肩越しに、寝台の床を
覗き見ようとしたとき、彼はそこに見た、怖ろしい何ものかに身を竦ませたのである。 ....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
いまだ少年であった私が縦い翁と直接話を交すことが出来なくとも、一代の碩学の風貌を
覗き見するだけでも大きい感化であった。そのころの開業医と患家とのあいだには、その....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
、そこから女の死骸が出掛かっているというのであった。純之進は胸を轟かして、それを
覗き見て。 「あッ」と叫ばずにはいられなかった。それは毎夜つづけて夢に見た高島田....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
らい鎖さし固め、猥に人の入るを許さずと記したるあり。これこそ彼の岩窟ならめと差し
覗き見るに、底知れぬ穴一つ※しおの栄あらしむること能わず、惜みてもなお惜むべきな....
「活人形」より 著者:泉鏡花
少時して一人その室を立出で、泰助の潜みたる、四番室の前を通り行くを、戸の隙間より
覗き見るに、厳格き紳士にて、年の頃は四十八九、五十にもならんずらん。色浅黒く、武....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
七十歳を迎えた女王は、政務も処理するし、日課も続けるし、外国使臣に垂れ幕の隙から
覗き見させながらダンスも踊るし、すべては昔のとおりだった。活力はだんだん衰退した....
「かもめ」より 著者:神西清
にじっとして、てんで生きちゃいない。……それにわたしには、主義があるの――未来を
覗き見しない、というね。わたしは、年のことも死のことも、ついぞ考えたことがないわ....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
女の肉体から遊離して、自由に飛び歩き、肉眼では見えないけれど、この部屋のどこかで
覗き見しているのかも知れないのだ。 そんな馬鹿なことがあるはずはない。と打ち消....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
なって堪らなかったが、見に出ることもならず、荷物の間にすくんでいると、幕溜りから
覗き見している朋輩達の思わずもらす歎声が耳に入った。 「まあ! 素晴らしい出来だ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
々を深く閉じ籠めて、其処に今どのような神秘劇が行われているのか、舞台の片端をだに
覗き見ることを許さなかった、時折薄い霧の翼が汗ばんだ私達の額を撫でながら音もなく....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
客に来た。或時決して見ることはならぬと警めて、一間に籠ったのを、母親が怪んで窃に
覗き見ると、盥の中でお産をして、三疋の竜の子を生んで居たそうである。それから娘は....