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覚え
「覚え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
覚えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
蜘蛛《つちぐも》の畜生め。」
「憎いやつだ。わん。わん。」
「わん。わん。わん。
覚えていろ。わん。わん。わん。」と、気の違ったように吠え出しましたから、ふと気が....
「影」より 著者:芥川竜之介
云う標題は見当らなかった。
「するとおれは夢を見ていたのかな。それにしても眠った
覚えのないのは妙じゃないか。おまけにその『影』と云うのが妙な写真でね。――」
....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
塞《ふさ》いで、時々大きな白帆が通りすぎるのも、何となくもの珍しい心もちで眺めた
覚えがありましたっけ。
「三浦は贅沢《ぜいたく》な暮しをしているといっても、同年....
「河童」より 著者:芥川竜之介
、静かにこの話を繰り返すであろう。最後に、――僕はこの話を終わった時の彼の顔色を
覚えている。彼は最後に身を起こすが早いか、たちまち拳骨《げんこつ》をふりまわしな....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《せぬまひょうえ》、加納求馬《かのうもとめ》が兄分、津崎左近が助太刀《すけだち》
覚えたか。」と呼びかけながら、刀を抜き放って飛びかかった。が、相手は編笠をかぶっ....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
てつかまるんだか、お徳は詳《くわ》しく話してくれたんだが、生憎《あいにく》今じゃ
覚えていない。
「大ぜいよってたかって、その人を縛ってしまったんです。いいえ、そ....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
吉はお嬢さんの姿を見ても、恋愛小説に書いてあるような動悸《どうき》などの高ぶった
覚えはない。ただやはり顔馴染みの鎮守府《ちんじゅふ》司令長官や売店の猫を見た時の....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
》の馬の脚が二本、ちゃんともう蹄《ひづめ》を並べている。――
半三郎はここまで
覚えている。少くともその先はここまでのようにはっきりと記憶には残っていない。何《....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
自分は菊池寛と一しょにいて、気づまりを感じた事は一度もない。と同時に退屈した
覚えも皆無である。菊池となら一日ぶら/\していても、飽きるような事はなかろうと思....
「狂女」より 著者:秋田滋
えを聞くと、この町にも普魯西の兵隊が攻めて来た。 僕はそれを昨日のことのように
覚えている。石が凍って割れるような寒い日のことだった。痛風がおきて僕自身も身動き....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
溯るように、自分の歩んで来た一生をこうして逆に辿って行った。私は自分がその名さえ
覚えていなかったほど久しい前から忘れてしまっていた人たちのことを思い出した。その....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
て、幼きより手習学問のこと、皆な伯父の世話なりし。自ら言うは異な事なれど、予は物
覚えよく、一を聞て二三は知るほどなりしゆえ、伯父はなお身を入れてこの子こそ穂垂と....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
マスも磁性のあることを知った時である。 ファラデーは研究している間、大きな紙に
覚え書きを取って行き、実験が終るとそれを少し書きなおし、一部の順序を換えたり、不....
「寡婦」より 著者:秋田滋
てあるのです。 あなたは僕をお棄てになりましたね。僕がいつぞや申し上げたことは、
覚えておいででしょう。あなたは僕に死ねとお命じになったのです。あなた以外の者に自....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
分たちの前を彼等が通りすぎると、亭主はそっとこう云った。 「どうだね、お前にゃ見
覚えはねえかい」 女房はそわそわと落ち付かぬ容子をして、亭主と同じように切りに....