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覚ます
「覚ます〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
覚ますの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
今考えても自分に愛想の尽《つ》きるような気持を起させるのはその翌日のことだ。眼を
覚ますと、もう朝日がいっぱいに射していたが、小恥かしい気分の中で真先に意識に上っ....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
その日の朝であった、自分は少し常より寝過ごして目を
覚ますと、子供たちの寝床は皆からになっていた。自分が嗽《うがい》に立って台所へ出....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
台に登ったわけだが、忽《たちま》ち深い眠りに落込んだ。ところがその深い眠りを突然
覚ますような事件が起ったんだ。ガーンとでかい物音が眠りを破った。それは寝室の北側....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
大夫人が一度、前後して、この病室を差覗いて、人知れず……立去った。 早瀬が目を
覚ますと、受持の看護婦が、 「薬は召上りましたか。瓶が落ちて破れておりましたが。....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
いさらぼえた雪道を器用に拾いながら、金魚売りが天秤棒をになって、無理にも春をよび
覚ますような売り声を立てる季節にはなったろう。浜には津軽や秋田へんから集まって来....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
しを立てて、一分殖えたの二分殖えたのと騒いでいたのを覚えている。それから夜は目を
覚ますと、絶えずどこかの半鐘が鳴りつづけていたのを覚えている。 三一 ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に当る――日の後半の間はブラーマもまたすべての生命も眠っている。しかして彼が眼を
覚ますとそれからまたその創造欲を満足させるのである。この創造作業と世界破壊作業と....
「獄中記」より 著者:大杉栄
眠りのまま横に倒れてしまった。 「こら、起きろ!」 という声にびっくりして目を
覚ますと、僕は自分のそばに畳んである布団の上に半身を横たえて寝ていた。 「横着な....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
り気もちがわるかったら、早く夢から覚めたまえ。君は間もなく温かいベッドの上で眼を
覚ますことだろう。隣りの部屋では、君の子供さんたちが、もう受信機のスイッチをひね....
「異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
の多い饒舌の中にも、この時|許りはどこかに長閑さがある。アペリチーフは食欲を呼び
覚ます酒――男は大抵エメラルド・グリーンのペルノーを、女は真紅のベルモットを好む....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
なりました。 折角可い心地で寐ているものを起しては気の毒だ。勇士は轡の音に目を
覚ますとか、美人が衾の音に起きませぬよう、そッと抜出して用達しをしてまいり、往復....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
組んで、まるで地獄の雛壇です。 どれも抱着きもせず、足へも縋らぬ。絶叫して目を
覚ます……まだそれにも及ぶまい、と見い見い後退りになって、ドンと突当ったまま、蹌....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は、最初から幽界の現実に目覚めさせるに限るのじゃ。で、俺は、この娘がいよいよ眼を
覚ますのを待ち、服装などもすぐに御国振りの清らかなものに改めさせ、そしてその姿で....
「子供の霊」より 著者:岡崎雪声
ばかりになった。それは恰も昔の七つさがり、即ち現今の四時頃だったが、不図私は眼を
覚ますと、店から奥の方へ行く土間の隅の所から、何だかポッと烟の様な、楕円形の赤児....
「西航日録」より 著者:井上円了
長臥九泉下、誰怪偉功千歳伝。 (進化論をとなえて三十年、その論はよく万人の眠りを
覚ますものであった。家に飼う鳥の淘汰に人の力をかんがみる。生物の起源は自然にもと....