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覚悟
「覚悟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
覚悟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
らにいた猪熊《いのくま》のばばも、しきりにそれをすすめてくれる。おれは、とうとう
覚悟をきめて、沙金といっしょに、五六人の盗人を語り集めた。そうして、その夜のうち....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ところまで行くよりほかはない。そう思って、私はこのごろ八犬伝と討死《うちじに》の
覚悟をしました。」
こう言って、馬琴は自ら恥ずるもののように、苦笑した。
「た....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
で取って返そう。」――彼はこう云い放って、一人旅籠へ引き返した。喜三郎は甚太夫の
覚悟に感服しながら、云われた通り自分だけ敵打の場所へ急いだ。
が、ほどなく甚太....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
顔を思い出した刹那《せつな》の事であったろう。何故と云えば、その時に私はもう死ぬ
覚悟をきめていた。そうしてまたきめる事の出来たのが嬉しかった。しかし泣き止んだ私....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
青い吐物《とぶつ》の流れた中に、冷たい体を横たえていた。これは彼女もとうの昔に、
覚悟をきめていた事だった。前の犬には生別《いきわか》れをしたが、今度の犬には死別....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
軍は三十年前の清正《きよまさ》のように、桂月香親子を殺すよりほかに仕かたはないと
覚悟した。
英雄は古来センティメンタリズムを脚下《きゃっか》に蹂躙《じゅうりん....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
》に沿うた大抵の都会に幻滅していたから、長沙にも勿論豚の外に見るもののないことを
覚悟していた。しかしこう言う見すぼらしさはやはり僕には失望に近い感情を与えたのに....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
けしき》はなかった。霊魂《アニマ》の助かりのためならば、いかなる責苦《せめく》も
覚悟である。おん主《あるじ》は必ず我等のために、御加護《おんかご》を賜わるのに違....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
に赤紙の扇《おうぎ》を開き、『人の若衆《わかしゅ》を盗むよりしては首を取らりょと
覚悟した』と、大声《おおごえ》に歌をうたいながら、織田殿《おだどの》の身内に鬼《....
「白」より 著者:芥川竜之介
みち》を失い、かつ過日の暴風雨に天幕《テント》糧食等を奪われたため、ほとんど死を
覚悟していた。然《しか》るにどこからか黒犬が一匹、一行のさまよっていた渓谷《けい....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
も限りませんし、――」
「そうです。」
「どうせ私は犠《いけにえ》になるものと、
覚悟をきめた体でございます。たといこのまま、――」
「御待ちなさい。」
彼は歩....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
卒は身構えながら、こうその叩頭を解釈した。
叩頭が一通り済んでしまうと、彼等は
覚悟をきめたように、冷然と首をさし伸した。田口一等卒は銃をかざした。が、神妙な彼....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
しの話を御促《おうなが》しになりました。
わたしは思わず眼を伏せました。兼ねて
覚悟はしていたものの、いざ申し上げるとなって見ると、今更のように心が怯《おく》れ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
経験を嘗《な》めている。そこで、彼は、今まで胸中に秘していた、最後の手段に訴える
覚悟をした。最後の手段と云うのは、ほかでもない。修理を押込め隠居にして、板倉一族....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
繋ぐべきにあらず。十七の春なりし。心を決して父と伯父に乞いもし許されずは出奔せん
覚悟を様子にそれと悟りてか、左まで思わば出京せよと許可を得たり。 穂垂の息子が....