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親しみ
「親しみ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
親しみの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
つけ、歓喜して読んだことを覚えている。が、「教育上の責任」は常に彼等と人間同士の
親しみを交える妨害をした。それは彼等の好意を得ることにも何か彼等の権力に媚びる卑....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
人《こびと》よりも、まだしも黒ん坊がましかも知れない。しかしこれも大体の気質は、
親しみ易いところがある。のみならず信徒も近頃では、何万かを数えるほどになった。現....
「河童」より 著者:芥川竜之介
。僕も幽霊を信じないことはチャックとあまり変わりません。けれども詩人のトックには
親しみを感じていましたから、さっそく本屋の店へ駆けつけ、トックの幽霊に関する記事....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
《ポプラア》の立樹は、いかに深くこの幽鬱《ゆううつ》な落葉樹が水郷の土と空気とに
親しみを持っているかを語っている。そして最後に建築物に関しても、松江はその窓と壁....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
の土もずっと霜に荒されていた。それは九日に手向けたらしい寒菊や南天の束の外に何か
親しみの持てないものだった。K君はわざわざ外套を脱ぎ、丁寧にお墓へお時宜《じぎ》....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
猫を見た時の通り、「いるな」と考えるばかりである。しかしとにかく顔馴染みに対する
親しみだけは抱《いだ》いていた。だから時たまプラットフォオムにお嬢さんの姿を見な....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ばい》ですね。」
「今度はおさまったようでございます。」
看護婦と慎太郎とは、
親しみのある視線を交換した。
「薬がおさまるようになれば、もうしめたものだ。だが....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
まじ》っていた。彼等は彼の失敗のために、世間一般の弱者のごとく、始めて彼に幾分の
親しみを持つ事が出来たのであった。が、彼等も一瞬の後には、また以前の沈黙に――敵....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
見することは多少の寂しさを与えぬこともない。が、それはいつの間にか却《かえ》って
親しみを与えるものである。丁度竹は竹であり、蔦《つた》は蔦である事を知ったように....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
一
僕の母は狂人だった。僕は一度も僕の母に母らしい
親しみを感じたことはない。僕の母は髪を櫛巻《くしま》きにし、いつも芝の実家にたっ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
は、それが出来ない。自分は、「家」の利害だけを計るには、余りに「主《しゅう》」に
親しみすぎている。「家」のために、ただ、「家」と云う名のために、どうして、現在の....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
眺めたまま、やはり巻煙草ばかりふかしていた。こう云う素っ気ないY中尉に不思議にも
親しみを感じながら。……… 2 三人 一等戦闘艦××はある海戦を終っ....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
のトロッコを押しているのは、二人とも若い男だった。良平は彼等を見た時から、何だか
親しみ易いような気がした。「この人たちならば叱られない」――彼はそう思いながら、....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
えば蕭散としている。お茶うけの蜜柑も太だ小さい。僕は殊にこの蜜柑にアララギらしい
親しみを感じた。(尤も胃酸過多症の為に一つも食えなかったのは事実である。) 島....
「森先生」より 著者:芥川竜之介
、西廂記と琵琶記とを間違え居られし為、先生も時には間違わるる事あるを知り、反って
親しみを増せし事あり。部屋は根津界隈を見晴らす二階、永井荷風氏の日和下駄に書かれ....