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「親不孝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

親不孝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ている。が、兄は帰って来ない。その内に母は死んでしまう。すると姉や浅川の叔母が、親不孝だと云って兄を責める。――こんな光景も一瞬間、はっきり眼の前に見えるような....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はりつけ》になりてえのか。女にばかり義理を立てて、病人の親に泣きを見せるな。この親不孝野郎め」 伊之助は真っ蒼になって、その眼から白い涙が糸を引いて流れ出した....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
がこれ見よがしだった。三十歳の蝶子も母親の目から見れば子供だと種吉は男泣きした。親不孝者と見る人々の目を背中に感じながら、白い布を取って今更の死水《しにみず》を....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りか」と、半七は訊いた。 「そうでございます、と云いてえのですが、どうも札付きの親不孝で……」と、三五郎はあたまを掻きながら又笑った。「実は親分に無理を願いに出....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
りまする。 刑吏の長 何じゃ。 おきん 死際のお願いでござりまする。どうぞ、この親不孝者を、先へ突いて殺して下されませ。せめてもの腹|癒せに、不孝者が、磔柱の上....
婦系図」より 著者:泉鏡花
風上にも置きやしない、酒井の前は恐れ多いよ、帰れ! これ、姦通にも事情はある、親不孝でも理窟を云う。前座のような情実でもあって、一旦内へ入れたものなら、猫の児....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
んだな、きさまは今でもあの省作の野郎と関係していやがるんだな。ウヌ生ふざけて……親不孝ものめが、この上にも親の面に泥を塗るつもりか、ウヌよくも……」 おとよは....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とふところが暖まったので、今頃どこかの宿場でおもしろく浮かれているかも知れねえ。親不孝な野郎だ」 「おい、お仙。傘を出してくれ」 半七は立ちあがって帯を締め直....
わが町」より 著者:織田作之助
に目に会えなかった。柳吉の命が助かったことだけがせめてもの慰めだったが、しかし、親不孝者だという気持は矢張りチクチク胸を刺して来た。お辰は蝶子が駈けつけて来ぬこ....
出奔」より 著者:伊藤野枝
早くねなさい』と相変らずお母さんがおっしゃってくださるのだが、こっちは相変らずの親不孝なのだから『え』とか何とかなま返事をしてまだグズグズ起きている。でこれから....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いるのでございました。 『いつまでも老いたる両親に苦労をかけて、自分は何んという親不孝者であろう。いっそのことすべてをあきらめて、おとなしく鎌倉へ戻って専心養生....
元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
出来る親を自分が出ない許っかりに親を殺してしまってほんとうにこれまでためしのない親不孝の女だ」とにくまないものはなかった。....
物のいわれ」より 著者:楠山正雄
中で、いつまでも呼び合っているのだということです。 鳩 鳩もむかしは親不孝で、親のいうことには、右といえば左、左といえば右と、何によらずさからうくせ....
母の上京」より 著者:坂口安吾
よろしい姿勢であると、ついでに心の中で久闊をのべた。かうして、彼はともかく重なる親不孝を自然に詫びることができたのである。....
恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
、一雄の方は到って無口で、ぶっきら棒で、お世辞も云えないので、とかく薄情者だの、親不孝だのと申されて評判がよくないところへ、一週間近くも父の前に顔も出さず、看護....